講義要旨
○「やってみよう!YAサービス ~動向と実践例を交えて~」(清野愛子氏)
講演は、①YAを知る、②YA資料を知る、③全国の先進例・事例報告の順で進められた。①は、参加者からの事前アンケートを集約した「YAあるある@あなたの地域」の紹介があり、流行に敏感なYA世代の現状を知ることができた。②は、YA世代と読書について統計数値を基に解説があり、10代は読書離れ世代ではないとのことであった。③は、講師が薦める全国の先進例紹介及び自館における近隣の学校(大学2校、高校1校)との参加体験型プログラムの報告がなされた。講演の中で「YAは、図書館「初心者」かつ「すぐ未来の」図書館ユーザーである。手助けや橋渡ししながら、末永い利用者を育てていくことが一番大切である」と述べていた。
○「橋本図書館の事例報告 ~発信・交流・挑戦~」(笹原 悠氏)
橋本図書館では、「YouthfulAge(若い世代)」という造語によりYAサービスを展開しており、発信→交流→挑戦をキーワードに事例報告がなされた。まず、第一の場・発信は、自館の掲示板・プチ展示・発行物について説明があった。第二の場・交流は、中高生編集委員との関わり方や編集会議の様子などについて、第三の場・挑戦は、オリジナル企画の中高生から文芸作品等を募集する「YA大賞」に関する報告があった。また、中高生の編集委員からの声として「学校以外の交友関係も広げられる」「中高生と本をつなぐ架け橋である」などが寄せられているということであった。
講演後、相模原市立橋本図書館の館内を2班に分かれて見学し、研修は終了した。
感想等
どちらの講演にも事例報告があり実践的な内容のため、参加者が熱心に聴講されている姿が印象深く、アンケート結果からも「YAサービスの原点を確認できた」「地域の学生同士のつながりを図書館が作っていける面白さを知ることができました」など前向きな御意見をいただきました。