講義要旨
○施設案内(ビデオ視聴)
施設案内のビデオを約15分間視聴した。国立国会図書館は、帝国図書館等の蔵書を基礎として、1948年に国立国会図書館法により開館した。国会のための調査図書館として、日本で唯一の国立図書館・納本図書館としての役割を担っている。東京本館のほか、国際子ども図書館(2000年開館)、関西館(2002年開館)がある。
○館内見学
職員の案内により、館内の主要な部分を見学した。
東京本館は本館と新館があり、それぞれ人文総合情報室や新聞資料室などの専門資料を集めた専門室と書庫がある。平成27年度の実績(3館合計)では、所蔵点数は約4,200万冊(東京本館は約2,700万冊)、来館者は約72万人、職員数888人となっている。
最初に見学したのは、来館者のいるフロアで、専門室にはカウンターがあり、レファレンスにも対応している。たくさんの来館者がおり、複写を受け付けるカウンターや雑誌、図書を出納するカウンターのスタッフの方が慌ただしく働く様子を見学することができた。
次に、新館の書庫を見学。書庫は地下1階から地下8階で、新聞や雑誌、マイクロフィルムが収蔵されていた。書庫に入る際には、害虫やカビ・ホコリの混入を防ぐために全員が靴カバーを着用するなど、資料保存のために注意が払われている。また、吹き抜けによって外の光が入るようになっており、書庫内の労働環境にも配慮されていた。
東京本館の書庫は、約1,200万冊収蔵できるが、デジタル化をすすめ、デジタル化が終了した一部の資料を関西館に移すなどの工夫により、収蔵スペースを確保している。また、関西館では現在、書庫を建設しており、さらに収蔵スペースを増やす予定がある。
○感想等
納本図書館として、「資料を受け入れる時に内容の価値判断は行わない。受け入れ、保存することに意義がある。結果的に将来、資料に価値が出ることもある。」という説明があり、予算等により受け入れる資料を選択する必要のある図書館との役割の違いが印象的であった。また、国会に対するサービスに携わる職員も多く、国内唯一の図書館として、使命を果たしている様子がよくわかった。