講義要旨
講師である岡本氏の著書『図書館100連発』(青弓社、2017年5月)を題材とした研修を行った。本書は、全国の図書館が来館者のためにおこなっている「きらりと光るいい工夫・試み」がカラー写真で紹介されており、今回の研修では、レクチャーと会場である横浜市中央図書館の中で実際に「きらりと光るいい工夫・試み」を探すワークショップを行った。
はじめのレクチャーでは、講師の様々な活動や図書館をとりまく状況が説明された。新館の建設などの大きな動きが注目されるが、簡単に新館をつくることはできない。しかし、図書館サービスの向上を考えるとき、図書館職員がすぐに実践できる、日常のちょっとした工夫が大切だというお話とともに、たくさんの図書館の事例が紹介された。
続いて、グループに分かれ、館内見学しながら参加者が「きらりと光るいい工夫・試み」を探し、写真撮影をした。館内見学後、グループごとに撮影した写真を発表し、講師からコメントをいただいた。多くの参加者が取り上げたのが、3~5階のレファレンスカウンターの後ろにある表示。「?」が大きく目立つデザインになっており、レファレンスという単語を知らない利用者でも質問できるカウンターだということが一目でわかるようになっている。その他、参加者それぞれの視点で気づきがあった。
その後、グループごとに実際に自分が所属する図書館で何ができるか話し合い、それぞれが実践する内容について誓いを立てた。
最後にまとめとして、小さな取組の積み重ねが図書館サービスを向上させること、公共図書館・大学図書館・専門図書館が館種を超えて、それぞれに学びあうことの大切さが話された。一方で、小さなことにとらわれすぎると、大きな流れを見逃す恐れがあるという課題が提示され、大局を見据えながら、日々の取組を積み重ねることが大事である、と結ばれた。
感想等
全国のたくさんの図書館を訪問している講師のお話から、全国の図書館が様々な工夫をしながら努力している様子がわかり、刺激を受けた。そして、すぐに実践できる取組についてたくさんの気づきがあったので、研修の成果を業務に生かすことができそうだ。今後、図書館を訪問した時は、漠然と見学するのではなく、参考になる「きらりと光るいい工夫・試み」を探したいと思った。