講義要旨
○「大和市立図書館見学研修」
まず、大和市文化創造拠点「シリウス」の紹介動画を鑑賞。10分ほどのPR動画で、各フロアの代表者が登場し、そのフロアの特徴を解説する内容だった。「心に響く・心が躍る・心をつなぐ」という基本理念を実現するために、さまざまな施設が「連携」ではなく「融合」することが、大和市の文化芸術の振興につながる、という説明が加えられた。
次に、指定管理者による運営について、スライドを用いての解説があった。「市民が健康であること」が基本理念を実現するためのステータスであるとし、社会的健康を充実させるために、シリウスが文化活動を促進させる、という展望が語られた。
施設の概要を説明し終えたところで、県立がんセンター・患者支援センター 清水 奈緒美氏から、患者支援についての情報提供があった。県立がんセンターでは、図書館と連携してがん情報の普及活動を展開している。逗子市立図書館の行事内で寸劇を上映、図書館司書によるミニブックトークを作成する等、実際に行っている活動が紹介された。活動は好評を博す一方で、準備に時間と手間が取られてしまう、という課題も挙げられた。
約1時間の座学の後、休憩を挟んで施設見学を行った。1階は、待ち合わせに多く使われることから、書架には気軽に手にとれるような内容の本を配架している。新刊本や雑誌、家政学や旅行ガイドの本が並び、広いスペースに大きめのソファが点々と置かれ、ゆったりとくつろげる空間になっていた。2階の市民交流ラウンジは有料だが、電源・有線LAN・印刷室を備えており、平日の昼間にも関わらず、ほぼ満席の状態になっていた。3階は子どもの本が置かれているが、フロア奥には有料のプレイスペースがあり、本を読まない子どもも楽しめる。四方を書棚で囲まれた小部屋も用意され、読書を楽しみに来た子どもの居場所も考えられていた。4階の医療健康コーナーでは、鳥のさえずりと川のせせらぎをスピーカーから流し、騒音を和らげるように配慮している。5階は、下の階に比べて書棚の色を落ち着いたものにし、全体的にシックな空間に。他の階よりも静かで、一番図書館らしいフロアだと感じた。6階には書架が無く、フリースペースとなっており、飲食やおしゃべりが自由に楽しめる。かなり賑わっていたが、騒音が下の階に響いている様子は無かった。
見学後は、アンケートを記入して解散。解散後も、講師への質問が相次ぎ、参加者の関心の高さが伺えた。
○感想等
見学にたっぷりと時間を使って頂き、説明も丁寧にして頂けたので、各フロアの特色をよく理解できた。新たな試みの多い施設ではあるが、多様化する図書館のひとつの形として、学ぶところが多いと思う。今回の研修で得た知識を持ち帰り、今後の図書館業務に役立てていきたい。