講義要旨
○施設案内(ビデオ視聴)
施設案内のビデオを約20分間視聴した。国立国会図書館は、帝国図書館等の蔵書を基礎として、1948年に国立国会図書館法により開館した。国会のための調査図書館として、日本で唯一の国立図書館・納本図書館としての役割を担っている。東京本館のほか、国際子ども図書館(2000年開館)、関西館(2002年開館)がある。
○館内見学
職員の案内により、館内の主要な部分を見学した。
東京本館は本館と新館があり、それぞれ人文総合情報室や新聞資料室などの専門資料を集めた専門室と書庫がある。平成29年度の実績(3館合計)では、所蔵点数は約4,300万冊(東京本館は約2,800万冊)、来館者は約79万人、職員数は888人となっている。
最初に、利用者のいるフロアを見学した。この日は利用者が多く、検索用端末も非常に混み合っていた。分野別の専門室ではレファレンスにも対応している。専門的な資料を用いて調査する利用者のニーズに対応し、科学技術・経済情報室では、日本語・外国語の資料を混排するなど工夫している。
2年前に完成した「国立国会図書館ギャラリー」も見学した。国会図書館の歴史がわかるパネルや、3館の模型、古い図書館用品などが展示されている。
次に、新館の書庫を見学した。書庫は地下1階から地下8階で、新聞や雑誌、マイクロフィルムが収蔵されていた。書庫に入る際には、害虫やカビ・ホコリの混入を防ぐために全員が靴カバーを着用するなど、資料保存のために注意が払われている。また、吹き抜けの光庭から外の光が入るようになっており、地下書庫内の労働環境にも配慮されていた。
東京本館の書庫には約1,200万冊収蔵できるが、資料のデジタル化を順次進めている。また、虫食いなどで傷んだ資料は専門の職員が補修を行い、原状に近い形での保存に努めている。
○感想
納本図書館として、「資料を受け入れる時に内容の価値判断は行わない。受け入れ、保存することに意義がある。結果的に将来、資料に価値が出ることもある。」という説明があった。古い雑誌に掲載された村上春樹のエッセイ、漫画雑誌の創刊号など貴重な資料を実際に見せていただき、資料保存の意義を改めて実感することができた。
○当日配布資料(会員限定) 当日配布された資料は、ログイン後、「グループスペース」→「会員のページ」→「キャビネット」→「H31年度」→「03 研修」→「第2回職員研修会配付資料」よりご覧になることができます。