11/21(木)~22日(金)、全国図書館大会にて、以下の通り記念講演及び2つの分科会に参加した。尚、この出張に係る費用の一部は、2019年度神奈川県図書館協会人材育成事業助成金による。
【1日目:全体会 概要・所感・研修成果】
・開会式 主催者挨拶、来賓祝辞
・表彰式 第35回日本図書館協会建築賞
・全体会 基調報告、記念講演
基調報告(報告者・㈶日本図書館協会理事長/小田光宏氏)では、今年度の話題のトピック等を中心に図書館業界全体の動向が報告された。特に障碍者支援サービスの拡充については、本館でも今年度より学外者への貸出サービスを開始し、より多様なバックグラウンドを持つ利用者の増加が見込まれることから、政策プランを改めて見直し、順次対応していく必要があると感じた。
記念講演『忍者研究の最前線から地域と図書館を考える』(講演者・三重大学人文学部教授/吉丸雄哉氏)では、三重大学内に設置された国際忍者研究センターの活動事例を中心に、地域一体型の学際的プロジェクトの成り立ち、進め方等について報告された。忍者研究には地域の歴史や文学上での描かれ方を読み解くことが欠かせず、図書館は史料提供やレファレンス等の側面からも重要な立場で寄与している。また、データベースの普及や関連資料の展示等、活動普及にも貢献しているとのこと。
図書館が地域の特性を生かし、自治体と大学、商工会議所などまさに産官学一体となって連携している非常に良い事例であると感じた。
また近年、人気アニメ等の影響から忍者という題材は海外からも注目度が高く、今後も発展が見込まれる。本学図書館においても郷土資料を積極的に収集しており、情報公開のあり方などは大変参考となった。
【2日目:分科会 概要・所感・研修成果】
・第5分科会 専門図書館
テーマ:地域とつながる専門図書館
第5分科会では、性格の異なる3つの図書館の事例紹介を通じて、図書館が地域との関わりのなかで果たしていくべき役割について考える機会となった。
本館では今年度、地域連携事業の一環として、大学に所属していない外部利用者へのサービスを拡大したところである。しかし、単科大学付属の図書館であるため蔵書も学部関係資料等が中心となっており、今回発表のあった専門図書館とも共通する性質も合わせ持っている。郷土資料の展示や自治体図書館との連携など、地域貢献を目指した取組みについてももっと検討していきたい。
・第2分科会 大学・短大・高専図書館(2)
テーマ:図書館における利用促進
第2分科会では、基調報告『学生の主体的な学びを促すための大学図書館の戦法と術策』(報告者・三重大学地域人材教育開発機構准教授/長澤多代氏)の後、3つの大学図書館の特色ある活動事例が報告された。長澤氏の報告では、三重大学における教育改革の一環としての図書館のアクティブラーニングへの関わりについて、体系的に紹介され、非常に参考になった。本学でも1,2年次生向けに実施しているガイダンスについては、講義スタイルの変化等に即して内容の見直しが課題となっているが、到達目標の明確化、学生の実態調査の手法等は今後導入を検討していきたい。また、本学と比較的規模の近い皇學館大學図書館の発表では、教員を巻き込んだガイダンスの実施等見習っていきたい。小規模大学の事例発表はなかなか聞く機会がないため、大会全体を通して最も参考になった。
2日目:分科会の様子

会場内展示の様子