令和3年度 第107回 全国図書館大会山梨大会に参加して
2022年2月3日 14時53分<令和3年度 第107回 全国図書館大会山梨大会に参加して>
事業年度 |
2021年度 |
参加研修名 |
令和3年度 第107回 全国図書館大会山梨大会 |
研修期間 |
2021年 11月11日(木曜)~12日(金曜) |
報告者所属 |
公共図書館 |
2021年度 神奈川県図書館協会人材育成事業助成報告書 |
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タイトル 氏名 研修名 期日 テーマ等 大会概要 研修成果 |
「令和3年度 第107回 全国図書館大会山梨大会に参加して」 井元 有里 (逗子市立図書館) 第107回 全国図書館大会山梨大会 2021年11月11日(木)~12日(金) 知をつなぐ、甲斐(交ひ)の国から 【全体会】 記念講演「対談 これからの出版と図書館」 対談 堀内丸恵氏(集英社会長) 金田一秀穂氏(山梨県立図書館長) 基調報告 植松貞夫氏(公益社団法人日本図書館協会理事長) 報告「公立図書館はコロナにどのように対応しているのか」 大谷康晴氏(青山学院大学) 【分科会】 ※太字の分科会に今回視聴参加しました。 第1分科会(公共図書館)「地域社会における公共図書館の存在意義」 第2分科会(大学図書館)「新型コロナウイルス感染拡大と大学図書館」 第3分科会(学校図書館①小・中学校図書館) 「学びを支え 心を育てる学校図書館の創造」 (学校図書館②高等学校図書館) 「コロナ禍における学校図書館の可能性」 第4分科会(児童サービス)「子どもと本をつなぐ・つなげる -変革の時代に-」※ 第5分科会(専門図書館) 「こどもとおとなの専門図書館 ―地域の資源をどのように提供すべきか」 第6分科会(図書館情報学教育)「学校司書モデルカリキュラムの質保証」 第7分科会(著作権) 「著作権法に関する動向と課題:令和3年改正著作権法を中心に」 第8分科会(公共図書館プロジェクト) 「MARC選択の多様性と地元書店納入の可能性」 第9分科会(図書館の自由)「図書館利用のプライバシー保護」 第10分科会(図書館利用教育)「情報リテラシー教育の次世代モデルに向けて」 第11分科会(障害者サービス (1))「利用者にとってアクセシブルな電子書籍とは」 (障害者サービス (2))「読書バリアフリー法における各図書館の役割」 第12分科会(資料保存)「やってみよう資料保存Ⅱ-資料保存の疑問解決!」 第13分科会(出版流通)「コロナ禍における情報利用行動と図書館」※ 第14分科会(多文化サービス)「多文化サービスQ&Aを使って一歩前進」※ 第15分科会(健康情報)「認知症と図書館のバリアフリー」※ 第16分科会(非正規雇用職員)「会計年度任用職員 ―職場はどう変わったのか―」 今回、オンライン開催での全国図書館大会に参加させていただきました。 会場に集まっての研修と違い、参加者同士の交流はしづらいかもしれないと思う反面、本来ならば同時刻開催でひとつしか参加を選べない分科会だったところを、オンラインでのコンテンツ公開によって興味のおもむくままに参加できることはたいへんうれしいことでした。 分科会については、申込時から興味のあった児童サービスに加え、日ごろ自分が課題だと感じていた多文化サービス、健康情報、出版流通の分科会に参加しました。 第4分科会(児童サービス)「子どもと本をつなぐ・つなげる -変革の時代に-」 児童サービスの分科会では、島弘氏(公益社団法人日本図書館協会児童青少年委員会委員長)の報告「近年の児童サービスの動向と変化」で子どもと本を取り巻く状況の変化を改めて考えさせられましたが、そのなかでも変わらず大切にしたいことのお話に背中を押される思いでした。 また、鶴巻拓磨氏(川越市立中央図書館)の報告「「りんごの棚」のつくり方 誰もが読書を楽しめるように」はとても興味深かったです。 「りんごの棚」という名前も今回初めて知ったのですが、LLブックや布絵本、マルチメディアDAISYなど、当館で持っている資料も多く、これらを包括的に生かし、利用者につなぐ場として、ぜひ取り組んでみたいと思いました。 第13分科会(出版流通)「コロナ禍における情報利用行動と図書館」 出版流通の分科会では、電子書籍市場が広がっている今の状況と図書館の対応について、さらに課題意識が高まったように思います。自分たちが電子書籍の発信側になるということは考えたことがなかったので、今後の郷土資料の提供を考えるにあたり、ぜひ頭においておきたいと思いました。 第14分科会(多文化サービス)「多文化サービスQ&Aを使って一歩前進」 多文化サービスの分科会では、発表されたそれぞれの図書館において、その地域のニーズを当事者とつながり、情報収集しつつ、徐々にサービスを作り上げていかれたことがとてもよく伝わってきました。「多文化サービス」というとついハードルが高いように思えて、なかなか着手できないままになっていますが、まずはどんなことでも始めること、続けることで当事者とつながり、サービスが広がるのではないかと感じています。始めの一歩の大切さを痛感しました。 第15分科会(健康情報)「認知症と図書館のバリアフリー」 健康情報の分科会では、特に竹原敦先生(群馬パース大学)の講演「図書館は認知症の人にとってバリアとなるか~作業療法士の観点から~」が印象に残りました。 それぞれの認知症の症状別に、図書館ではどのような状況が考えられるかを具体的にお話いただくことで、自分の図書館での対応もイメージしやすく、業務を振り返ることができました。また、物理的環境と人的環境の両側面でお話されたことも新鮮でした。図書館でも高齢者の利用がどんどん増えているなかで、認知症と思われる利用者への対応に迷うことも出てきているなか、今回得たお話はぜひ職員で共有したいと思います。 全体を通して、本大会では、誰もがその人にとってよい形で「読書」を楽しめる場を提供するのが図書館の大切な役割だということを再確認したように思います。 これからもさまざまな図書館サービスを考えるにあたり、まずは自分の視点を広げ、学ぶ姿勢を持ち続けたいと思いました。 こうした大会に参加することは、変化する社会のなかで、図書館がどのように変わってきているのか、自分はどんな図書館にしたいのかを考えるとてもよい機会だとあらためて感じました。特に今回のオンライン開催で、多くの分科会に触れることができ、あらゆる館種、テーマを超えてつながる課題や取り組みがあることを実感できたように思います。 今回はいくつかの分科会報告について、館内の職員と共有したり話し合ったりすることもでき、より実践に近づけやすい参加となりました。本大会で得た知識、問題提起の視点を心に留めて、今後の業務に生かしたいと思います。 貴重な機会をいただき、ありがとうございました。 |