1 施設概要
(1)国立天文台
国立天文台は、日本の天文学の中核を担う研究機関であり、大学共同利用機関として、大規模な天文観測・研究施設を全国の研究者に提供するとともに、天文学研究と天文観測機器の開発を広く推進している。さらに世界の先端研究機関として、国際協力のもと、天文学の発展のために活動している。
(2)天文台図書室
三鷹キャンパス図書室にのみ図書職員2名が常駐しており、その他のキャンパス(岡山、野辺山、水沢、ハワイ)にも図書室はあるが、現在は規模を縮小して図書職員が不在とのこと。
<三鷹キャンパス図書室の基本データ>
◆蔵書数
・図書約7万冊、雑誌約2千タイトル、電子ジャーナル3千タイトル以上
・盗難防止のためICタグ管理
◆開室時間
・一般利用者は平日9時~12時、13時~17時(年間約400名が利用)
・天文台所属者は24時間入室、貸出返却が可能
・一般利用者は貸出不可、有料複写サービスを利用可
◆天文台ならではの資料
・天文学とその周辺分野(宇宙科学、地球科学、数学、物理学、自然科学、工学)における国内外の
資料、学会誌等
・国立天文台の刊行物、編纂資料(理科年表、暦象年表)
・星図、星表、パロマチャート
◆貴重資料
・江戸幕府天文方の資料 1646件
・明治から昭和初期の公文書
・保存のため電子化に取り組んでおり、一部の画像はweb上で公開している。
◆独自分類
・アルファベットによる独自の請求記号を採用している。
A.天文学・宇宙科学(Astronomy) G.地球科学(Geoscience)
M.数学(Mathematics) P.物理学(Physics)など

2 施設見学
(1)図書室
天文情報センター図書係職員2名による案内のもと、センター内会議室にて図書室の概要説明を受けた上で、図書室の見学を行った。
1階は一般利用者も利用できる開架スペース及び職員の事務室となっている。配架してある図書や新着雑誌を自由に閲覧できる。所蔵資料は、蔵書検索端末(OPAC)で検索できるほか、閲覧駅、コピー機、自動貸出返却装置(一般利用者不可)などを設置している。
また、一般利用者でも読みやすい資料だけを集めた特集棚を設置している。
2階は一般利用者が立ち入ることができないスペースとなっている。雑誌のバックナンバー、星図、星表、パロマチャート、マイクロフィルムなどを電動書庫などに保管するとともに、整理中の資料の一時仮置き場となっていた。
この他、3階は貴重書庫となっており、外部見学者が立ち入ることのできないスペースとなっている。

(2)その他天文台施設
天文情報センター特任専門員1名による案内のもと、図書室のある南棟を出発し、第一赤道儀室(国の登録有形文化財)、天文台構内古墳、西棟1階展示室、天文台歴史館(大赤道儀室・国の登録有形文化財)を見学した。

3 担当所感
今回の研修会は、国立天文台三鷹キャンパスの防災訓練日と重なってしまうというアクシデントがあったが、見学順路等を調整して無事に当初の計画通りに見学することができて安堵しました。
天文分野における国内最高峰の機関の図書室を見学させていただき、図書室の概要から専門資料の収集保存の実態、独自分類による配架の様子などを知ることができて、大変参考になりました。
また、一般利用者が気軽に天文分野に興味を持てるように、一般向けの特集棚を設置していることは良い取り組みだと感じました。
公共図書館の職員という立場から申しますと、図書館(室)の機能も、期待される役割も、利用者層も、収集対象資料も何もかもが異なる状況ではありますが、今回の見学で得られた知見を、今後の図書館運営に少しでも活かすことができればよいと思いました。