1 概要
インターネットや生成AIの登場により、情報の探し方や学び方は大きく変化しています。
スマートフォンの存在により、手軽に自分の知りたい情報を調べることができ便利な時代になっていますが、手にしたその情報は本当に正しいものなのでしょうか。溢れる情報の中で、正しい情報に辿り着くことが困難になっています。
こうした時代の中で図書館は、信頼できる情報を提供するだけでなく、利用者が情報を見極め、主体的に学ぶ力を育む“知のよりどころ”としての役割を担うことができます。
ネット社会における図書館の新たな可能性を探りながら、情報におぼれないための学び方と未来の図書館像について講演していただきました。
2 講演内容
(1) インターネットで何でも分かる時代に、なぜ学ぶのか?
インターネットを使っている学生の中には、日常のほとんどの問題はネットで解決できていると思っている人もいます。でも、就職活動などの「人生の一大事」でも、ネット情報で判断し、行動してよいのか。
無料で見られる範囲の情報は誰でも見ることができる。また、ネットの情報は玉石混交で知らぬ間にウソを広めてしまうこともある。
そうならないために、出所が明確で網羅的な情報収集力(探求力)、知識を複合してアイデアを生む力(独創性)、言葉と文章+α(イラストなど)で、人に伝える力(発信力)が必要で身に着けていく必要がある。
(2) 探求学習の意義とは
現在、学校では探求学習が必修となっている。一つのテーマに真剣に向き合って、「調べる」「考える」「発信する」ことの経験を積むと、これからの人生で出会う多種多様な課題についても、この「3つのスキル」で自ら解決できる力が育つ。
探求学習をしていくことによって、「どうすれば確かな情報が探せるのか」を学ぶこと。ネットで見つけた発信者不明の情報を頼ったり、安易に生成AIを使いたがる人たちに、自信をもって「なぜ、それじゃだめなのか」を説明できるようになること。「真剣に調べて、考えて、人に伝えることって、こんなに面白くって、ワクワクするんだ!」を「腑に落ちて」理解すること。それについて、図書館司書・教員・保護者は、そう思わせるような探求学習の指導ができるようになる必要がある。
(3) ネットと生成AIの時代に、なぜ読書?なぜ図書館?
コロナ禍で、学校においてタブレット端末が1人1台配布されているのに、どうして探求学習で図書館を使うのか。
価値ある情報は、基本として有料が大原則であるが、図書館では無料で使うことができる。また、一次情報で学ぶことができる。そのことによって、論拠に基づいた意見、発言をすることができるため、自分に自信が持てるようになる。
分野や立場の偏りなく、体系的な情報で学べ、真偽を見極め、世界を見渡せる知識基盤を持てる。そのことを得るために、図書館司書に相談できるようになること、それが大事である。
(4) 生成AIとは?
使いこなせると、とても便利。でも、インターネット上の玉石混交の情報を拾って利用しているので、調べ事や事実の調査に使うのは問題がある。今の段階では、AIにしかできない仕事、AIにはできない仕事を自分で使ってみて把握し、児童・生徒に使わせるかどうかを考えるとよい。
3 感想
どうしてネット情報ではなく、本や図書館なのかを、いろいろな例を挙げてお話しいただき、あっという間の1時間半でした。
一次情報を扱っている図書館と図書館司書の役割が大切であること、ネットの情報や生成AIの特性を理解し、図書館司書として利用者の支援していくことが大切なのだと深く印象に残りました。
