令和元年度研修報告(第7回):図書館総合展フォーラム
「図書館に新規利用者を呼び込む!図書館とWikipediaタウン」
実施日 | 令和元年 11月14日(木) 13時~14時30分 |
会 場 | パシフィコ横浜 アネックスホール205 第5会場 |
講 師 | 海獺氏(Wikipedia日本語版 元管理者) 小澤多美子氏(県立長野図書館企画協力課主査) 小松晶子氏(神奈川県立図書館資料部図書課長) |
参加者 | 172名
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講義要旨
今年度の図書館総合展フォーラムは3名の講師をお招きし、「Wikipediaと図書館の親和性」、Wikipediaを編集するイベント「Wikipediaタウン」についてお話をいただいた。
最初に登壇したウィキペディアンの海獺(らっこ)氏には、Wikipediaの基礎知識とともに、イベントの事例やオーソドックスな進め方をご紹介いただいた。まずはWikipediaに関する簡単なガイダンスを行い、次いで街歩き・撮影、その後、図書館等での資料探しを経て、編集・執筆作業をし、成果発表するのが一般的だという。
Wikipedia記事の編集では、広く知られていることを中立的な観点で資料に基づいて書くことが重視されていて、文献資料が不可欠であることから図書館との親和性が高いと言える。イベントで資料を用いて調査し記事の編集を進める中で、図書館本来の役割が参加者に浸透するという効果もあるそうだ。
県立長野図書館企画協力課主査の小澤多美子氏からは、「WikipediaLIB@信州」の開催経緯・概要をもとに、なぜ図書館がWikipediaイベントを行うのかという視点で事例報告があった。県立長野図書館では地域の一人一人が主体的に情報を探し、判断し、編集し、発信する力を身に付けていけるようにサポートをしていくことがこれからの図書館の大切な役割であるという目的の実現のために、そうした要素をまんべんなく体験できるプログラムとしてWikipediaタウンはとても適していると考え、県立図書館として市町村図書館が開催できるように支援していく手段にと、県内の図書館員向けに企画したものである。同館ではその後も、「信州酒ペディア in 上諏訪」など県内でのイベントの開催支援・共催をしているそうだ。
最後に神奈川県立図書館資料部図書課長の小松晶子氏より、一般県民を対象にこれまでに3回実施したWikipediaイベントの事例報告があった。従来の県立図書館イベントの参加者層とは異なり各年代が平均して参加しており、会場は熱気に満ちていたという。事前に職員研修を行い、実施にあたっての課題を整理したことが効果的だったそうだ。
フォーラムの最後には質疑応答も活発に行われ、参加者の関心の高さがうかがえた。図書館にマッチした新しい形のイベントとして、今後の広がりに期待したい。

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