協会報(~239号)

平成19年度神奈川県図書館協会総会報告

2012年3月21日 09時13分 [管理者]
平成19年度 神図協総会開催報告

 平成19年度神奈川県図書館協会総会が、4月25日(水)、神奈川県立青少年センター2階多目的プラザにおいて開催されました。
 三角協会会長(県立図書館長)より「資料費や職員の削減、図書館業務のアウトソーシングなど、図書館にとって厳しい時代であるが、協力し合って切り抜けていきたい、『公共図書館における自己評価-図書館評価特別委員会報告書』を発行した。ぜひ各図書館の業務に役立ていただきたい。」旨挨拶がありました。続いて、役員の改選、平成18年度事業及び決算報告、平成19年度事業計画(案)及び予算(案)、神奈川県図書館協会委員会設置規程の改正について審議が行われ、すべて原案どおり承認されました。
 報告事項では、会員施設の退会及び80周年記念事業について報告がありました。
 表彰式では、永年勤続職員23名、図書館活動に功績のあった1団体1名が表彰されました。
 三角会長は、「今図書館は大きな転換期を迎えて、様々な課題を突きつけられているが、図書館サービスの基礎となるものは「人」であり、図書館サービスを長年支えられてきた方に心から敬意を表したい。」と祝辞を述べられました。
 表彰者を代表して、鎌倉市中央図書館の浅見佳子氏が「支えてくれた周囲に感謝している。図書館の活動は多岐に渡り、取り巻く情勢は大変厳しい。しかし市民の中に図書館を求める声があることを追い風にこれからも頑張っていきたい。」と挨拶をされました。
 講演は、翻訳家で作家の辻由美氏により、「図書館と私」と題して行われました。
 仕事柄、世界の様々な図書館を利用する立場から図書館を「生活必需品。他の公共施設と異なり、誰もが差別されずに利用できる、オアシスのようなものである。」と位置づけ、「私は知らずにレファレンスサービスを利用していた。図書館から提供されるサービスとして当たり前に受け止めていても、意外にレファレンスというものは知られていないように思う。今では常識となった図書館ネットワークも重要性を行政にもっと理解してもらう努力が必要。小さな図書館も限られた施設ではなくアクセスポイントとしての役割を持つ。今ほど司書の専門性を強く要求されている時代は無い。」「現在大変ありがたく利用しているのがメールレファレンスである。時間のないときや離れた図書館を使用するときに活用している。特にレファレンス回答が、整理されている・レファレンス資料以外の一般資料も紹介されている・関連URLが記載されている、といった場合は大変助かっている。こうしたサービスはもっとPRされるべきであるが、同時に利用者教育も必要だと思う。」という実感のこもった図書館論が展開されました。
 最後は図書館という空間について「人間は適度な孤独が必要だが、孤独感と連帯感のバランスの取れた場所として図書館は重要である。格差社会の中にあってもあらゆる人が利用できるのが図書館である。」と結ばれました。


平成19年度 表彰受賞者(カッコ内は推薦施設名)
○○よこすかマイブック(横須賀市立中央図書館)
 昭和55年12月1日設置。横須賀市立児童図書館と共に子どもの読書活動推進に取り組んできた。昭和58年から「手作り絵本展」の開催に協力し、本年で24回を数えるに至る。他にも小学生向け手作り絵本教室の実施や同図書館の館内装飾・イラスト等を手がけるなど各種の協力を行っている。
 「世界に一つしかない自分の絵本を作ろう、子どもに読み聞かせよう」を合言葉に熱心なボランティア活動を展開し、図書館で長年積み重ねた実践は子どもから大人までの幅広い年齢層に絵本に対する興味・関心を持たせ、市民の間に「図書館へ行こう」「読書を楽しもう」という意識を醸成させることに大きく貢献した。

○横田留美子氏(海老名市立中央図書館)
 おはなし会の運営を中心とした図書館におけ る児童奉仕への指導にあたり、地域の子ども達の読書活動の振興に寄与された。図書館運営に適切な助言と指導を行い、図書館行政の発展に貢献された。
 また、多年にわたり市のボランティア団体(おはなしたまてばこ)の育成と指導に携わり、子ども達への読み聞かせ活動の普及に尽力された



★平成19年度事業計画


1 諸会議の開催:①総会 ②理事会 ③その他

2 図書館の調査研究:①郷土資料等の調査研究
               ②大学図書館の調査研究

3 図書館活動の普及

4 研修会の開催:①一般研修 ②児童サービス研修
            ③障害者サービス研修 ④その他

5 協会報等の刊行:「神奈川県図書館協会報」「神奈川の図書館」

6 功労者の表彰:永年勤続職員及び県内図書館の功労者に対して表彰を行なう(総会開催と同時に実施)

7 80周年記念事業の推進:協会創立80周年記念事業に関する準備作業を行う


★平成19年度予算                      

収入                        (円)
分担金等収入
各館分担金 1,897,000

会費(会友)  42,000
補助金日図協助成費230,000
繰越金前年度繰越金796,659
雑収入雑収入     341
合計
2,966,000

支出                        (円)
事務費事務局費220,000
事業費
  会議費会議費59,000
  調査研究費調査研究費32,000

館員等研修費395,000
広報活動費会報等発行費1,130,800
表彰費表彰費202,000
出版特別会計繰出金
100,000
記念事業特別会計繰出金
300,000
予備費
527,200
合計
2,966,000


※ 平成19年度の役員名簿、委員会名簿、および、平成18年度永年勤続優良職員表彰受賞者は、ペーパー版に掲載されています。