平成22年度神奈川県図書館協会総会報告
2012年3月22日 15時34分 [管理者]●平成22年度 神図協総会開催報告 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
平成22年度神奈川県図書館協会総会が、4月21日(水)に神奈川県立青少年センターの多目的プラザにおいて開催されました。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
講演は、福原義春氏(株式会社資生堂名誉会長、財団法人文字・活字文化推進機構会長)により、「書物と文化―図書館への期待」と題して行われました。 初めに、書物の意味や、本の誕生による人間への影響、図書館の役割を説明されました。人間は「本」によって先人の多様な生き方や体験、思想を学ぶことが可能であり、教養を高めることや次世代に伝承していく手助けをすることこそ、図書館の役割である、と述べられました。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
次に、ビスマルクの「賢者は歴史に学び、愚者は体験に学ぶ」という言葉を紹介された上で、『ガリア戦記』(カエサル著)や『箴言と考察』(ラ・ロシュフコー著)、『チャリング・クロス街84番地』(ヘレーン・ハンフ著)などの作品を例に挙げて、普遍的な人間の心理に触れることができる古典の力について述べられました。また、書物は時代や世代を超えることができるものであり、その「知の連鎖」こそが図書館の持つ大きな役割だと説明されました。図書館は、「読む喜び」や「知る喜び」に、「過去や未来」を加えた見知らぬ世界を広げる場所であるとも述べられました。 また、現在話題となっている電子書籍についても触れられました。デジタル画像やCDは、便利ではあるけれども決して半永久的とは言えないということを指摘され、電子書籍の未来について考察されました。 最後に、図書館に求めることとして、「市場原理に左右されない『知の貯蔵庫』」「健全な出版文化の保護と育成」「出版文化を支えるソフトの開発と人材育成」「本をめぐるネットワークの中心として、社会に貢献すること」の4点を挙げられました。読み手への手助けを行うことや図書館に集まる人々のネットワーク作り、子どもへの読書の手助けなどを提案され、今の時代や未来の人類のための新しい図書館像の創造こそ図書館の役割であると述べられました。 参加者は福原氏の講演に熱心に耳を傾けながら、場内に映し出された美しいスライドにも見入っていました。 ◆平成22年度事業計画 1 諸会議の開催:①総会 ②理事会 ③その他 2 図書館の調査研究: ①郷土資料等の調査研究 ②大学図書館の調査研究 3 図書館活動の普及 4 研修会の開催: ①一般研修 ②児童サービス研修 ③障害者サービス研修 ④その他 5 協会報等の刊行:「神奈川県図書館協会報」「神奈川の図書館」 6 功労者の表彰:永年勤続職員及び県内図書館の功労者に対して表彰を行う (総会開催と同時に実施) ◆平成21年度予算 <一般会計> 収入 (円)
支出 (円)
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