講義要旨
本研修では、神奈川県立川崎図書館の概要説明、施設見学、質疑応答を行った。
1.概要説明
今年5月にかながわサイエンスパーク内に移転した図書館である。この移転に際し、「科学と産業の情報ライブラリー」から、「ものづくり情報ライブラリー」とその位置づけを改めた。かながわサイエンスパーク西棟2階に図書館があり、R&D棟に事務室、書庫、そして相模原市にも外部書庫がある。西棟の図書館内は「Research」「Inspiration」「Conference」「Study」「Liaison」の5つに分類されており、移転前からの社史や工業規格のほか、他団体と連携したサービスや電子ジャーナルなど、新たなサービスも提供している。
2.施設見学
職員の方の案内により、3班に分かれて西棟2階の図書館とR&D棟の書庫を見学した。
西棟2階の図書館について、移転後、休館日と開館時間が変更になった。内装については、窓側がキャレル席になっており、人気があるとのことである。その隣のInspirationのコーナーはソファが置いてあり、くつろげる空間になっている。総合カウンターの正面には電子ジャーナルやデータベースが利用できるパソコンが設置されており、申込書を記入することで利用できる。また、社史のコーナーについて、移転前より広くなったと説明があった。神奈川県立川崎図書館が社史を収集していることが少しずつ広まってきているとのことだった。
西棟から、1階と2階の渡り廊下でつながっているR&D棟には、事務室と書庫がある。西棟の図書館で書庫出納の依頼があると、この事務室にファックスが送られ、それをカート等で運び、総合カウンターでは番号札を使ってそれを提供している。出納希望の資料が多く運びきれない場合に対応するため、書庫には机、複写機が設置されており、そこでの閲覧も可能である。
3.質疑応答
電子ジャーナルについて、今はそこまで利用者は多くないが、多くなっていくのではとのこと。有料コンテンツは契約していないが、現在の提供範囲で事足りる利用者が多いそう。また、立地の違いからか利用者層が変化し、以前からの利用者も来館するが、目的をもって利用する利用者が増えたとのことである。
感想
再開館して間もないこともあり、参加者からの関心も高かったようである。移転前と比べる参加者も多かったようで、「とても落ち着いた感じに変わった」「館運営の参考になる部分が多く、参加してよかった」等という声が寄せられた。
ものづくりに特化した図書館ということで、立地の変化等に伴う利用者層の変化にも対応し、明るく、長時間の調べものがしやすい環境になっていた。既存の建物内への移転とのことで耐荷重の問題等も挙げられていたが、新たな利用者はもちろん移転前からの利用者にも受け入れられているようで、学ぶところも多かった。