講義要旨
◯施設案内(ビデオ視聴)
施設案内のビデオを約15 分間視聴した。
国立国会図書館には、帝国図書館、そして帝国議会の貴族院・衆議院の各図書館という二つの大きな源流があり、これらの蔵書を引き継ぎ、1948 年に国立国会図書館法により設立された。以来、国会のための調査図書館としての役割、日本で唯一の国立国会図書館・納本図書館としての役割を担っている。
◯館内見学
職員の案内により、2 班にわかれて館内の主要な部分を見学した。
東京本館は、建物の延べ面積14.8 万平方メートルのところ、閲覧スペース1.9 万平方メートル。書庫延べ面積7.8 万平方メートルを有しているとのことで、通常の館内利用では入ることのできない書庫部分も見せていただいた。
本館部分の図書カウンターや、雑誌カウンター、複写カウンター等のそれぞれに列ができ、閲覧コーナーの机やPC はほぼ満席で、科学技術・経済情報室や人文総合情報室といった専門室も、利用者が多数いて賑わっていた。
本館と連絡通路でつながった新館は、地上部分が4 階構造、地下8 階分が書庫になっていた。地下書庫は、中央の吹き抜けのエレベータで最下層までおりても外光がふりそそぐ構造で、これは書庫内で働く職員への環境配慮とのことだった。書庫内は温度及び湿度管理が徹底されているほか、見学者は必ず使い捨ての靴カバーを装着するシステムで、外靴に付着した害虫やカビ類の持込にも配慮がされていた。書
庫内の資料は、図書だけではなく、フリーペーパーや漫画雑誌およびその付録、業界新聞などが整然と並べられており、資料受け入れの時点では価値判断をせず、すべての納本された資料を蓄積し後世に伝えるという国会図書館の使命感が強く感じられる見学だった。
館内のあちこちに、「5 月25 日は納本制度の日」というポスターが貼られていて、これは、国立国会図書館が納本受付を開始した1948 年5 月25 日に由来するとのこと。今年、2018 年は、納本制度70 周年であると同時に、国会図書館開館70 周年という節目の年にあたるということで、積み重ねられた歴史の重みが感じられた。