平成11・12年度における県内図書館の活動
2012年3月14日 10時57分 [管理者]平成11・12年度における県内図書館の活動 前神奈川県図書館協会事務局長 石井 敬士 | |
1 はじめに 20世紀が終わるにあたり100年前を振り返ると県内には図書館は皆無に近かった。それが現在では全市町村に図書館や類似施設ができ、大学・学校・専門図書館も数多く設置され、その変遷にはめざましいものがある.本協会にも140館(公共図書館78館、大学図書館41館、専門図書館21館、13年3月現在、会友は13名)が加盟し、年々活発な活動を展開しているが、一方で経済不況の影響も伺える。以下、この2年間を振り返ってみる。 2 公共図書館(市町村立図書館、県立図書館) 新規加入は鎌倉市腰越図書館(11年3月1日開館)、藤沢市湘南大庭市民図書館(12年4月29日開館)の2館であった.また、会友として寺田省三(前県立図書館長)福地孝(前横浜市中央図書館サービス課長)の2氏が加入された。 新館の建設は、上記の他、横浜市磯子図書館が11年11月16日に磯子区総合庁舎地下1階に移転し開館、また、二宮町図書館が12年11月3日生涯学習センター(通称ラディアン)内に開館した。 上記以外の主な動きとしては、 (1)開館日の増設・開館時間の延長 厚木市立中央図書館の通年開館(11年4月)、横浜市内全図書館・茅ヶ崎市立図書館の祝日開館(12年4月)や横浜市中央図書館の午後8時30分までの夜間開館の延長など (2)コンピューター 12年度においては2000年問題の対応等で川崎、海老名、綾瀬、南足柄市立図書館等がシステムを更新、また、湯河原町立図書館ではシステムを稼動、インターネットによる蔵書検索については、11年度に厚木、鎌倉、藤沢、大和、12年3月に茅ヶ崎の各館が可能となった。 (3)相互利用 平塚市と茅ヶ崎市が11年4月から、藤沢市が湘南工科大学附属図書館と12年5月から、そして、13年1月から秦野市と松田町とが相互利用を開始した。 (4)その他 大和市立図書館の貸出冊数の制限撤廃(2週間以内 11年4月)、横浜市中央図書館の利用者向けパソコンコーナーの開設(11年10月)、「予約図書館情報ダイヤル」の開設(同11月)などだが、これに加えて平成12年は図書館法制定50周年、国際子ども読書年であり、県内外で関連行事が開催された。 (5)県立2図書館 平成11年7月、文部省「教育情報衛星通信ネットワーク(エルネット)」の放送開始(県立) 12年1月、特許庁と専用回線で結ぶ「特許電子図書館」端末設置(県立川崎)3月、新情報システムが稼動(インターネットによる所蔵検索やメールによるレファレンスが可能となる)4月、貸出冊数を3冊から6冊に、視聴覚資料の貸出期間を1週間から2週間に延長した。10月、横浜市教育会館等を会場に「全国移動図書館協力事業研究集会」を開催した。 3 大学図書館、専門図書館 (1)館名変更 12年4月、麻布大学で図書館と情報処理センターを統合、麻布大学附属学術情報センターとなった。 (2)施設の改修・増築 11年度から12年度にかけて日本大学生物資源科学部図書館では増築工事、資料移動、再整理が行なわれた。また、専修大学では12年度に生田校舎内の旧図書館本館(新本館は同大学120年記念館内)を改修し、生田分館とした。 (3)相互利用 12年5月から、湘南工科大学と藤沢市が提携 (4)その他 横浜国立大学附属図書館では12年度からコンソーシアムによる電子ジャーナルサービスが開始された。また、11年11月、県産業技術総合研究所図書室では、特許庁指導アドバイザーを設置した。 4 本協会事業のうち特記すべき活動 (1)委員会の統廃合 5常任委員会と3特別委員会の統廃合について、企画委員会で検討、諮問委員会を設置して案作りをし、成案を得る事となっている。 (2)県内全域広域利用について 企画委員会で2年間かけて検討、議論した結果、様々な問題点等が提起され、さらに実現に向けて検討を進めていくこととした。 (3)協会ホームページの作成 プロジェクト・チームを作り検討を進め、新年度以降で作成、公開が可能となっている。 (4)デポジット・ライブラリー構想 12年秋以降、県教育委員会の要請を受けて、プロジェクト・チームを組み検討を進めており、12年度末に中間報告をまとめた。 | |