協会報（～239号）

　大学図書館問題調査研究委員会では、平成11年から12年にかけて、「情報化時代における図書館の将来像について」というテーマのもとで、ホームページや新システムについて、あるいは、オンラインジャーナル、データべース等に関連する情報をその都度設定して委員会を開催しました。
　「オンラインジャーナル」は、検索の利便性や速報性、書庫の省スペース対策としての役割を担っており、利用者も図書館も待ち望んでいたものの一つですが、外国雑誌価格の高騰で、予算の点から何誌もの購読中止をせざるを得ない状況が各大学で起き、オンラインジャーナルへの移行に拍車をかける要因になったのではないかと思われます。委員会でも、いくつかの問題点－契約上の制約から複写依頼を受け付けてもらえるのかといった問題やバックナンバーについての不測の事態への対応に何の保証もないこと、冊子体との抱き合わせによる価格設定が多く、大学図書館側として、これらの問題がどのように展開していくのかということが話題になりました。また、コンソ ーシアムとしての購入も選択肢として可能であり、コスト削減の点や、価格交渉等などの面からも、私立大学の図書館同志が協力していけるのではないかという方向性についてフリートーキングが行なわれました。
　インターネットからの固定料金によるデータベース検索の情報もいただきましたが、利用者のガイダンスも、今までと違った視点に立った形を考えることも大切であると思われます。ホームページについては、構成や運用、横断検索などに関すること、また、単位互換生の図書館利用についての話が出されました。利用者のための相互協力は
いうまでもないことですが、今までとは違った図書館間での相互協力が形成されつつあるという将来像が浮かび上がってきたように感じます。
　平成12年度に入り、委員会の再編成についても、何度かにわたり検討したことをご報告致します。　　　

＜委員長　相模女子大学附属図書館長　長尾　久＞