協会報(~239号)

No.226 【特集】神図協この1年の動き

2012年3月22日 11時08分 [管理者]
次の10年につなげる神奈川県図書館協会

                            企画委員長
       横浜市中央図書館調査資料課長
            佃 一可
   
   神奈川県図書館協会80周年記念式典が平成20年11月27日(木)パシフィコ横浜会議センターにおいて開催された。定員200人の会場がほぼ満員になり予想をはるかに越える賑々しさだった。主催者として神奈川県図書館協会会長(神奈川県立図書館館長)が、また、神奈川県教育長の山本正人氏、国立国会図書館長長尾真氏、日本図書館協会から理事長の塩見昇氏が来賓として登壇されたが、それぞれ神奈川県図書館協会が県内図書館職員の研修会を発展発足させたことに言及されていた。このことは平成20年6月に施行された図書館法改正と関係がないわけではないだろう。図書館職員として今何が求められているのか。もう一度考え直さなければならないという認識だろう。

   改正法は「家庭教育に関する情報の提供」を新たなテリトリーに加え、専門職員の資質の向上を図るため司書の研修を大臣及び都道府県教育委員会に求め、さらには司書及び司書補に係わる資格要件の見直しを求めている。生涯学習政策局長決 定で設置された「これからの図書館の在り方検討協力者会議」が検討した報告書(案)では内容見直しの観点として、社会における図書館の役割や意義の理解、自治体行政や生涯学習の制度・政策に関する知識の充実、情報化への対応に必要な知識と技術の向上、レファレンスサービスの体制作りと質的向上、課題解決支援サービス・発信型情報サービスに関する知識の習得などが示されている。また、図書館の運営能力の向上として運営状況を地域住民に提供するよう努めることを求めている。図書館の運営方法の議論が進展されるに連れて、今後は図書館の設置責任と執行責任の明確化の議論が深まっていくに違いないし、また深めなくてはならない。図書館で「何をサービスするのか」、「どのようにサービスするのか」を分離させるという議論である。
   市場化テストをいち早く取り入れたロンドン郊外の一バラ(区)では何をするかを専門的に考えるプリンシパルライブラリアン(単数)という制度を設けた、といった例があるが、県の図書館協会として県下の自治体が最も効果的な図書館運営が出来るよう人材を育成していく仕組みをつくることが次の10年の仕事であるように思える。  



  • 神奈川県図書館協会80周年記念事業報告
  • 特集:神図協この1年の動き:平成20年度委員会報告
  •     ・郷土・出版委員会 ・・・(1)
        ・大学図書館委員会・・・(2)
        ・研修委員会・・・(3)
        ・広報委員会・・・(4)
  • 神図協小史点描(33)・・・(5)

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    (更新:2012年4月20日 14時01分)
    No.226 【特集】神図協この1年の動き
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