No.223 【特集】神図協この一年の動き
2012年3月21日 10時39分 [管理者]神奈川県立図書館長
神奈川県図書館協会長 磯村 共庸
神奈川県図書館協会設立の機運は、昭和3年1月開催の図書館講習会に参加した人たちの間から起こったという。このことは、現在の協会活動を見ていて首肯できるものである。
図書館経営やサービスの質を上げていこうとする情熱、興味や関心が協会活動の原点である。そのために図書館員同士が集まり、より顕著な実績を上げている図書館の活動や実例を学び、自館に応用しようとする基本的な姿勢は、変わっていない。
言うまでもなく協会の最大の役割は、研修や調査研究などの活動を通じて、県内図書館の相互連携、協力の絆を強めるバックボーンとしての機能である。長い歴史の中で、記録には留められないほど多くの胚珠が育まれ、ネットワークやシステム構築を結実するため一定の役割を果たしてきたのである。
一方今日、図書館行政においても、指定管理者制度などに見られるように、運営主体の抜本的な見直しの波が押し寄せてきている。こういう時代だからこそ、図書館で働く私たち一人ひとりが図書館のミッションを再認識し「図書館で何ができるのかではなく、何をしなければならないか」についてもう一度真剣に考えていく必要があるのではないでしょうか。
こうした状況下において、当協会のあり様もまた時代に即したものでなければならない。例えば、協会を支える人たちを図書館員だけでなく、図書館に関心のある一般市民に広げていく必要はないだろうか。組織や会員制度、分担金のあり方などについても大胆に変えていく勇気を持つべきであろう。もっと厳しい時代に営々と努力を重ねてこられた先人たちに恥じない図書館の創造のため、新たな発想による活動展開についても、一考すべき時期に来ているのではないだろうか。
協会も今年で創立80周年を迎え、企画委員会を中心に様々な記念行事を計画している。この中には、未だ実施したことのない「所蔵資料展示会」開催や資料紹介記事の新聞連載など好企画が含まれている。この記念行事が、後世に残る印象深いものとなるよう、会員の皆様の積極的なご協力、ご支援を期待したい。
・企画委員会「神図協80周年」・・・(2)
・郷土・出版委員会・・・(3)・大学図書館委員会・・・(4)
・研修委員会・・・(5)
・広報委員会・・・(6)
・フォーラム「図書館と行政-司書は行政をどう学ぶか-」報告・・・(8)