神図協この1年の動き/企画委員会「神図協80周年」
2012年3月21日 10時52分 [管理者]神図協80周年
企画委員長 横浜市中央図書館調査資料課長 佃 一可
ことしは80周年の節目に当たる。昭和3年1月に開催された図書館指導者養成講座を切っ掛けとして2ヶ月後の3月8日県庁内議員控室で図書館協議会が開かれ神奈川図書館協会が発足してから80年となる。神図協では区切りの年の10年目ごとに式典を
行い、今回も昨年来その準備をおこなってきたが、今回のものは従来に比べてやや異なったフィーリングのものになりそうだ。
「神奈川の図書館」でここ10年の神図協加盟館総体の数値統計をおってみると、公共の図書館経費全体では1997年が71億6千万円、2007年が60億1千万円で約16%の圧縮、大学が63億から57億へと9.6%の削減となっている。ちなみに図書館資料費を見ると公共は27.4%の削減、大学は13.4%の増強となっている。この数値は私の印象とはかなり落差がある。総体の和の数値であるから、個々の図書館と状況が異って当たり前のはずだが、10年前に比べて50%以上の削減というのが私の印象である。図書館を取り巻く停滞感のようなものがこの落差を広げているのだろうか。
停滞感、その大きな素因となっているものは人の減員だろう。同じように統計を見てみるとここ10年で公共はおよそ15%の減、大学は32%の減。自治体経済は後追いの傾向があるので公共での流れは強まると思われるし更にこの流れの中に運営形態の問題がある。先行きの不透明感は次代の図書館を担う職員をどのように養成していけるのか、公共でいえば地方自治での図書館の意義をどのように浸透させるのかの方向性が今ひとつ見えてこないことによるのかも知れない。80年前の神図協のしごとも同じだったのだろうか。
80周年の記念イベントは恒例では春に行われるのを、ここ数年、11月に横浜で開催されている「図書館総合展」にあわせそのブース内で行うこととした。「総合展」も第10回の節目であり、設立精神「『図書館』」を元気にする」ともあって力を合わせようというものだ。記念イベントでは、研修委員会で計画している図書館の未来に繋がる職員養成のパネルディスカッションや講演会を開催。郷土出版委員会では、「協会略年譜・貢献人物略伝記」を刊行する。また、大学図書館部会が音頭をとってそれぞれの図書館の「お宝」を展示する「かながわ図書館 自慢のこの一点」を神奈川文学館で開催する。また神奈川新聞にこの資料の解説が新年度早々から連載される。