新規加盟館の紹介 横浜薬科大学図書館
2012年4月20日 14時17分 [管理者]横浜薬科大学図書館
横浜薬科大学は2006年に6年制の薬学総合大学として開学しました。「天寿を全うせしめるものは 薬の力である 生命の根元に培うものは 薬学の使命である 教育は 社会進化の源泉である ここに 横浜薬科大学を開き 人類の福祉と 学術の深化 東西の融和を祈念する」という創建者の建学精神の下、幅広い専門知識に加えて豊かな人間性と倫理観、国際感覚を兼ね備えた人材を世に送り出すことを目標としています。
学生一人ひとりの個性を伸ばし、患者さんの苦しみを理解できる“惻隠の心”と“心の温かさ”を持つ薬剤師育成を目指した〈個性の伸展による人生練磨〉の教育を実践すべく、学長にノーベル物理学賞を受賞した江崎玲於奈先生を迎え、学生の自主性を尊重しながらも教員・職員が人生の先輩としてサポートし、時には学生を引っ張っていく面倒見のいい大学を基本方針としてあげており、図書館としても全面的にサポートする体制をとっています。
図書館が入っている図書館棟は21階建ての高層ホテルとして建てられたホテルエンパイアを改装し使用しております。建築当初から近隣住民に地域のシンボルとして親しまれていたホテルエンパイアは横浜薬科大学の図書館棟として生まれ変わりましたが、今もなお変わらず地域のシンボルとして愛されています。
図書館は21階建図書館棟の1階から8階を使用しています。図書館の全フロアに開架式書架が設置されており、和書・洋書混合の配置形態で配架されています。1階には薬学に関連深い400番台の自然科学図書、新書、視聴覚資料を配架し、また大学のシラバスに指定されている教科書、参考書類は使用頻度が高いため1階の入口付近に別置しています。2階には和雑誌・洋雑誌の最新号、新聞のバックナンバー、リーフレット類、3階から7階には000番台から順に配架し、8階には寄贈雑誌のバックナンバーが配架されています。
2階から8階の各階には学生用の学習机を設置しています。また1階には学生がレポート等作成にも使用できる情報検索用パソコン10台と視聴覚席4席を設置しております。
蔵書構築に関しては6年制薬学教育をしっかりと支えることを強く意識し、選書にあたっています。各年次で学習する教科書、参考書、国家試験対策の参考書、対策本、6年制薬学教育で新たに組み込まれた実務実習前の共用試験(CBT、OSCE)関連の図書なども、新刊にも注意を払いながら幅広く取り揃えていく努力をしております。 図書館相互利用サービスは、他大学では有料が多い中、当大学では無料で提供しております。学生に図書館を幅広く活用してもらうために学術的な文献・書籍だけでなく、文学の貸借なども対応しております。
書籍、カウンターサービス、その他の情報収集面だけではなく、落ち着いて学習できる館内環境、学生間の交流などもできる場として図書館が機能するよう努力しています。
学生用の学習机のほとんどを窓際に設置することで、どこからでも眺めのいい景色を楽しむことができるようにしております。図書館の中にそれぞれお気に入りの場所を見つけ勉強に励む学生が増えてきました。
2階には学生同士の交流の場として活用できるよう飲食可能なミーティングルームを設置しました。お湯が自由に使え、お茶や紙コップも無料で提供しており学生から好評を博しています。今年の7月からは図書館1階の向かいに更なる学生同士の交流、グループ学習活動を活性化させるため、学生ホールがオープンしました。図書館と連携を取り、幅広い学生のニーズに応えるよう試行錯誤の最中であります。
教育に関しては保護者と一体となって取り組むというのも本学の特徴です。保護者後援会は図書館の役割についてもよく理解していただき、参考書をはじめ薬学や自然科学以外の人文科学、社会科学、文学全集などの書籍購入のために毎年援助を申し出ていただいております。
開館4年目であり、大学図書館としてはまだ歴史が浅く、蔵書は完全とは言えません。教育面では主要な教科書、参考書などはほぼ整備してありますが、一般教養の図書については必ずしも十分ではなく、蔵書の分野バランスの改善が課題です。
薬科系以外の専門分野の教員が在籍しており、研究者や将来学生のニーズに応えられるような専門書、学術雑誌のタイトルを確保していく必要があります。本学には「漢方薬学科」という「東洋の経験的医療」に特化した学科が設置されており、その特色を活かすための蔵書の構築も課題です。また今年から始まるCBT、OSCEに対する学生への学習支援の質を充実させるなどの新たな課題も増えつつあります。保護者後援会からの援助、教職員の紹介による図書寄贈なども生かしながら、大学図書館のあるべき姿を追求していきたいと考えます。
<横浜薬科大学図書館 寺林 進・山下 幸二>