協会報(~239号)

3年目のマナー向上月間

2012年3月15日 09時33分 [管理者]
3年目のマナー向上月間

相模原市立相模大野図書館 栗下 勲


 相模原市立相模大野図書館では、平成12年度から毎年8月を「マナー向上月間」として様々な取り組みをしています。
 この事業の目的は、図書館利用者のマナー啓発とともに職員側の接遇マナーについても見つめ直す機会として位置付けています。
 事業の具体的な内容としては、マナー啓発標語の募集と返却期限票への標語の掲載、汚破損本の展示[写真]などを実施しています。
 この事業に対する利用者の反応として、特に汚破損本の展示については、切り取られたり書き込みされた本の現物展示ですので溜め息つく人、憤激する人様々ですが、中には図書館側の対応の甘さを指摘する声もあります。
 また、返却時の精度の高い点検、延滞者に対する延滞金の徴収、図書館の利用禁止まで提案する方までいます。確かに、図書館の利用マナーをきちんと守っている方にとってはそこまで言いたくなる気持ちは良く理解できますし、本の返却を期限どおり守った方と半年や1年以上も遅れた方を同等に扱うことに対する矛盾は感じざるを得ません。
 しかしながら、図書館としてはそれらの提案や声を具現化するには、人的な配置、財政的な裏付け、そして法的にクリアしなければならない課題を抱えていることも事実です。
 マナーとは、「自分のことより、他人のことを先に考えること」だと思います。他の利用者のことも考えてくださる図書館利用者が増えることを祈りながら、今年もこの事業を行っています。