協会報(~239号)

特徴のある加盟館/大磯町立図書館

2012年3月15日 16時07分 [管理者]
(今回は、新しい動きのある公共図書館を紹介します)
●大磯町立図書館

 

 大磯町立図書館は昭和23年に創立され、JR東海道線大磯駅から徒歩3分、海水浴場へと抜ける坂道の途中にあります。街並みにマッチした「大きな住宅(おうち)」というコンセプトを基に設計された吹き抜けのある開放的な2階建の現在の建物は、昭和58年度神奈川県建築コンクールにて優秀賞を受賞しました。
 図書18万冊、視聴覚資料8千点を所蔵し、吉田文庫や坂西文庫などの特別収集を揃えており、年間入館者数は17万人を数えます。人口3万人強のベッドタウン的な趣のある町の図書館であり、町民の生活に即した蔵書構成を心がけ、さまざまなサービスを行ってきました。
 平成16年3月から、情報化社会における人々の ニーズに応えるべく、コンピュータ・システム更新に合わせ、OPAC公開を始めました。また、インターネットによる所蔵資料の予約の受付も開始しました。それにより、予約件数が、伸び続け3ヵ月後には2.1倍にもなりました。予約資料の用意ができた時、また督促の連絡において電子メールの活用も始めました。書庫資料の利用を館内の利用者用検索機で検索するとレシートが自動的に出る方式に変えたところ、1ヶ月で1.7倍も件数が伸び、潜在的利用者を引き出すことに成功しました。
 また、館内にインターネット検索専用のパソコンを4台設置しました。情報収集や調べものに便利だと利用者からの評判は上々ですが、子供達の長時間利用が目立ち、苦慮することもあります。
 これからも情報化社会のニーズに応え、しかし、「あらゆる人々に知る自由を保障する」ため、情報化社会に適応することが容易でない高齢者や障害者への対応にも配慮していくサービスを進めていくことも課題です。

<大磯町立図書館 鈴木 恵美子>