フォーラム「おはなし会を考えよう」報告
2012年3月19日 09時45分 [管理者]フォーラム「おはなし会を考えよう!」報告
神図協研修委員会は、第6回職員研修として、フォーラム「おはなし会を考えよう!」を開催しました。フォーラムは11月26日(金)の午後1時から 2時30分まで行われ、佐藤凉子さんの講演と県内の3つの実演グループによる発表の、密度の濃い1時間30分でした。
佐藤さんの講演は、「お話をどう伝えるか―多様な表現を見る・聞く」というテーマで行われました。「子ども読書活動の推進に関する法律」ができてから、お話会が各地で盛んになっているけれども、その内容は、非常に多様化している、ということを中心に話されました。
ボランティアのグループでは、自分達のお金と時間を使って活動をしています。お話が終った後に「楽しかった」という言葉を聞きたいために活動をしているのです。しかし、ただ、漫然と行っていくのではなく、展望を持つこと、各論を深めること、或いは今までの活動を振り返ることが必要です。
また、図書館でのボランティア活動では、ボランティア側にはボランティアマナー、図書館側にはガイドラインが求められています。同じ目的を持つもの同士が、すりあわせをすることが大切です。
対象によって、内容を変えることも必要です。児童館でのお話会やシニア向けの講座など、対象が多様になっています。児童館では、身体を動かしてお話する、といったことも考えられます。
大人向けのお話会を行っているところもあります。区立図書館で行っているものですが、夜7時頃から開始して、50人位の参加者があるそうです。
また、プログラムの構成を考えることも大事なことです。15分のプログラム、30分のプログラム、45分のプログラムでは異なった内容になります。どうやって作るかが重要です。
佐藤さんの講演の後、3つの実演グループが、それぞれの活動の紹介と、実演を行いました。
県立こども医療センター池波文庫お話会「ぽぽんた」は、県立こども医療センターの中で活動しています。院内の各病室をブックトラックに絵本や読み物を満載してまわり、貸出をしたり、プレイルームでおはなし会をしたりしています。プレイルームのない病棟では、食堂や病室で、ベッドから出られない子どもにはベッドサイドでお話会をしています。実演は素話で、「屋根がチーズでできた家」でした。200人を超える参加者の前で、マイクなしで演じました。
「おはなしクレヨン」は、1994年4月から活動を始めたグループで、公民館・幼稚園・子育てグループ・学童保育などで、日本や外国の昔話や創作話などの絵本の読み語りや素話などを行っています。2003年4月には子どもの読書活動優秀実践団体として、文部科学大臣賞を受賞しました。実演は、「ソメコとオニ」で、巨大なスクリーンに絵本を映し、BGMと共にお話が語られました。
「おはなしばるーん」は、伊勢原市立図書館を中心に活動しています。創立以来15年間で、2,300回ものお話会を行ってきました。今秋には、絵本紹介冊子『読んであげたい』を創刊しました。実演は、あやつり人形劇「とぶ」です。会場に、机と暗幕、棒を使って舞台を作り、お揃いの衣装を着た会員達が、創作劇を演じました。
最後に、佐藤さんが、他のグループの納得できるところをいいとこ取りし、自分達の活動に生かして欲しい、と締めくくられました。
(研修委員会)
(写真は、「おはなしばるーん」の実演風景)