協会報(~239号)

ブックスタート実施状況報告/伊勢原市におけるブックスタート

2012年3月15日 09時55分 [管理者]
伊勢原市におけるブックスタート

伊勢原市立図書館 林かをり

 当市では平成14年9月より7ヶ月児健康相談会場でのブックスタート事業がはじまりました。前年度の1月より、主管課である健康管理課との打ち合わせをはじめ、約8ヶ月の準備期間の後のスタートとなりました。
 当市のブックスタートの基本方針の1つめは、配布する絵本は親子のふれあいのための道具ととらえることです。このため配布時には読み聞かせの実演だけでなく絵本の楽しみ方をお話したり、あかちゃんと遊べるわらべうたの紹介もしています。これは図書館職員1名と臨時保育士4名が2~3組ずつの親子を対象に行います。実施にあたっては、臨時保育士と図書館職員、担当保健士が共通の認識をもてるように、準備期間中にミーティングや研修を行いました。
 基本方針の2つめは、配布絵本を選択制にするということです。今年度は『いないいないばあ』『じゃあじゃあびりびり』『ちいさなうさこちゃん』の中から2冊を選んでもらっています。
 基本方針の3つめは本の配布だけで終わらせないということです。配布を目的とするのではなく、配布がブックスタート事業の始まりと考え、関係各課が連携してフォローを行います。第一段階としては、子育て支援センター内にあかちゃん文庫を設置しました。選書は図書館が行い、予算は健康管理課がもち、場所の提供及び運営は子育て支援課が行っています。
 まだ始まったばかりですが、参加者にはおおむね好評です。「赤ちゃんが大好きな絵本はなめたり噛んだり破かれたりします」とお話すると、多くのお母さんが「本を破いてしまっていいんですか?」と驚かれます。図書館の貸出資料と違って配布できる絵本はその点がいいなと思いました。また、配布絵本では『じゃあじゃあびりびり』の人気が高く、ほとんどの方が2冊のうちの1冊に選んでいます。あとの1冊は『いないいないばあ』と『ちいさなうさこちゃん』のどちらかを選ばれるようです。
 10月には子育て支援センターで念願の出張おはなし会も実施することができました。今後も関係各課と連携しながら図書館として協力していきたいと考えています。