協会報(~239号)

ブックスタート実施状況報告/藤野町のブックスタート

2012年3月15日 10時01分 [管理者]
藤野町のブックスタート 「一対一で向きあって」

藤野町図書室 福田美津江


 ブックスタート2回目終了からちょうど一ヵ月経った頃、ラッコの絵柄の布袋をさげ、赤ちゃんを抱っこした親子が図書室に入って来ました。お姉ちゃんとおばあちゃんも一緒です。カウンターにいた私は思わず「あっ」と声を出してしまいました。ブックスタートで図書室を知り、始めて訪れてくれた、待ちに待った第一号さんです。
 藤野町は、人口およそ一万二千人の周りを山に囲まれた小さな町です。年間誕生する新生児は約50名。今年7月から、4ヶ月児を対象としたブックスタート事業を始めています。少ない人数だからこそ出来る事を最大に生かして、一組ずつ、ゆっくり、楽しくをモットーに、しっかりと図書室のアピールもしながら、ボランティアさんの慣れた読み聞かせに頼りきって、順調に進んでいます。4ヶ月の赤ちゃんに本を読んであげるなんて考えた事もなかった私は、当日本当に赤ちゃんが、絵本に興味を示すものなのか不安な思いで、いっぱいでした。ところが、どの赤ちゃんもじーっと本を見つめ反応を示すのです。中には絵本に手を持っていく赤ちゃんや、ニコッと笑う赤ちゃんもいて、「わかるんだー」と感動してしまいました。絵本は、「いないいないばあ」と「もうおきるかな?」を選びました。そして、「すでに持っているわ」という人のために交換用として、3種類の違う絵本も用意しました。「いないいないばあ」は持っているという人も多く、この予備の絵本はとても役に立ち、喜ばれたと思っています。
 当町には、健診に一緒に来る赤ちゃんのお兄ちゃんやお姉ちゃんのために別に絵本を読んで、相手をしてくださるボランティアさんもいらっしゃいます。私達スタッフと同じ位熱心なボランティアの方達に感謝しながら、これからも手づくりの暖かい雰囲気を心がけて続けていこうと思っています。