協会報(~239号)

ブックスタート実施状況報告/座間市立図書館の試み

2012年3月15日 09時56分 [管理者]
座間市立図書館の試み

座間市立図書館 金井雄二

 子ども読書年を契機に「ブックスタート」が各自治体でおこなわれつつあります。座間市では、最初はできる範囲でということで、平成14年度から市民健康課が主催している「なかよしベビークラス」の時間を少しいただき、赤ちゃん絵本の読み聞かせ、図書館の利用方法などについて語っています。まず、市民健康課の「なかよしベビークラス」とはどういうものかご説明いたしましょう。
 この業務は、赤ちゃんとそのお母さん方の友達関係を作る場、と考えてよいと思います。父親、母親学級で得たものをそのままにしないで、赤ちゃんが生まれたあとも各地域の同じようなお母さん方と、友だち関係が作れるようにしたものです。もちろん赤ちゃんとのスキンシップも目的です。
 年に7回あり、生後3ヶ月から5ヶ月ぐらいの赤ちゃんとそのお母さんが約30組来ます。広報に出るので、市内全域に周知はされています。通常のブックスタートだと、検診時などをサービスの場とするようですが、保健士さんと相談の結果、それは大変だろうということになりました。
 図書館では、ベビークラスの2時間のなか、20分ほどをいただいています。この時間に職員1人とボランティア1名がプレゼント用の封筒を持って出かけていきます。封筒の中身は赤ちゃん絵本の紹介冊子「赤ちゃん絵本」。そして幼児向けの絵本紹介冊子「本はいいなぁ1」。その他には図書館の利用案内や、お話会のパンフ、リクエストカードなども入れてあります。ブックスタートの定番である絵本そのものは配布していません。あくまでも図書館に足を運んでもらい、一緒に絵本を選んでいただきたいという思いがあります。もちろん予算もついていない状態だったのでしかたがありませんでした。ブックスタートの目的が本を配ることにもあるのなら、座間市の試みはそうは呼べないかもしれません。
 さて、ベビークラスでは職員が、赤ちゃんの時から本の読み聞かせを行ないましょう、と呼びかけ絵本も読みます。ボランティアはわらべ歌、手遊びなど聴覚や視覚に訴えます。最後に職員が図書館の利用案内を紹介して短い時間を終えます。
 お母さんはもちろん、赤ちゃんまでもが職員の話に耳を傾けて聞いてくれます。最近は心なしか、ベビーカーを押すお母さん方が多く見られるような気がします。