協会報(~239号)

「図書館と環境問題」調査報告

2012年3月15日 13時14分 [管理者]
 ISO取得等の言葉も耳にしますが、図書館も公共施設の1つとして、環境問題への配慮が必要とされています。
 事務用紙のリサイクル・廃棄物の分別は日常のこととして、経費がかかっても環境によりよい方法を望まれるようになってきています。結果として、今までのやり方では処理できないという事態も起こってきます。どの図書館も同じ社会の中にあるわけで、他の図書館ではどう対応しているのだろうかと思う折々もあります。
 今回は、現在図書館をめぐる問題に限定し、健康増進法が施行された喫煙の問題、平成15年10月から条例で規制が始まるディーゼル車とブックモービルの関連、除籍資料のリサイクル方法について、県立図書館の協力車が巡回している市町村図書館等を中心に41館に調査を実施しました。
 また実際例として、エコロジカルな宅配サービスを実施している藤沢市総合市民図書館、今までリサイクルできなかった資料をできるように取り組んだ厚木市立図書館、環境問題関連資料を収集している県立川崎図書館に現状を報告していただきました。
 分煙について、完全な形で実施したいと考えても建物がそのようにできていないとか、悩みの種はつきないでしょうが、調査結果がどんなことが可能なのか検討する参考になればと考えます。
(若干ですが、項目によって複数項目回答がありましたので、合計数が回答館数と必ずしも一致していません)


広報委員会
●特集  図書館と環境問題


<I>図書館での喫煙について

1.図書館での喫煙について

館内喫煙は全面禁止 31
館内に喫煙室 1
館内に喫煙場所を設定(コーナーは決めているが、煙は遮断できない) 7
館外に喫煙場所を設定 20
その他(現段階では全面禁止の方向で進んでいる)

2.図書館での喫煙についての利用者からの投書や意見
出入口脇に吸殻入れを置いているため、出入りする際に臭いや煙が気になる
通行時に煙を吸ったり、タバコの火が危険なので館内だけでなく、敷地内禁煙あるいは喫煙場所を隔離すべき
喫煙所が入口のすぐ左側にあり、入った時に強くタバコの臭いがするので何とかしてほしい
館外の喫煙場所については確保してほしい
図書館入口に灰皿を置いてほしい (当初入口 付近に設置していたが、生ゴミ等も捨てていくので、衛生面・防災面からも考慮し撤去した)
(館内全面禁煙のため外での喫煙が)寒い
(館内禁煙実施以前)喫煙を禁止してほしいという要望が多数あり
2階に喫煙所を設置しているが、全面禁煙の希望あり
喫煙場所を全廃にできないが、たばこの煙が図書館内へ流れてしまうので「禁煙にしてほしい」との要望あり

3.図書館での喫煙について職員の立場で利用者対応について困っていること
受動喫煙の防止を重点として対策を考慮しているが、喫煙者への配慮も必要。館内禁煙といってもトイレで隠れて喫煙する人もいて、防災上の問題もある
雨天時の喫煙場所がない
一部マナーの悪い利用者が、灰皿以外に吸殻を捨てることがある
館外に灰皿を設置しているため、タバコの火の消し忘れがある

<II>ブックモービルとディーゼル車
1.現在使用しているディーゼル車のブックモービルが図書館にあるか?
①ある   11   ②ない   30
2.1で①と答えた図書館に。ディーゼル車対策はどのようにしているか?
① 
当面装置をつけて対応、その後の対応は未定7
② 
当面装置をつけて対応、その後新車購入 3
③ 
ディーゼル車は処分し新車購入0
④ 
当面装置をつけて対応、新規購入が困難なためブックモービルは廃止0
⑤ 
その他(新規購入及び装置をつけることもできずBM廃止を検討中)

<Ⅲ>除籍本、雑誌等のリサイクルについて
① 
特に何もしていない3
② 
常設のリサイクル本お持ち帰りコーナーを設置16
③ 
リサイクルする本・雑誌等を市町村民に頒布する機会を設けている23

          
名称館数回数
リサイクルフェア2  1/年
   〃12  0.5回/年
本のリサイクルフェア3  1回/年
図書館リサイクル市1  1回/2年
本のリサイクル市1  不定回/年
ブックフェア1  不定期・過去3回開催
くるくるブックフェア2  1回/年
図書リサイクル*以下館数1  1回/年
ブックリサイクル

図書リサイクル展

ぐるりんブックフェア

○○市リサイクルブックフェア

名称特になし

図書リサイクル市

図書館まつり

公民館まつり

ワンスモアブックフェア1  2回/年
リサイクル展1  2回/年
④古紙としてリサイクル        11
⑤その他
  ● 再利用可能なものは市民利用施設に譲渡している
  ● 児童・高齢者施設等へリサイクル移管
  ● リサイクル資料の量により、フェア開催
  ● 雑誌のみ、毎月第4日曜にリサイクルコーナーを設置
  ● 小、中学校に譲渡
  ● 雑誌のみリサイクルとして毎月10日間コーナーを設置
  ● 雑誌は、月はじめにコーナーを設け、利用者に提供 

<IV>環境問題について図書館として特に配慮してとりくんでいること
ブックコーティングフィルムを剥離して、古紙としてリサイクル
図書館を含め、全庁的に環境マネージメントシステム(ISO 14001)を導入し、省資源等の推進に取りくんでいる
ブックカバーについては、廃棄する際にはずして不燃ゴミとしている
コピー用紙の再生紙利用
節電・使用済用紙の裏面利用
ブックカバー等の購入にあたって、焼却しても有害物質が出ない製品を選定している
平成15年度から、リユース(本・雑誌としての再利用)不可能な資料を資源化する委託を実施
市のISO基準に従う
平成7年から有害物質が出ないブックカバーへ変更
図書館消耗品等について、環境配慮製品を優先し、購入
ブックカバー、貸出袋を、廃棄する際環境を考慮したものを購入
冷暖房の温度調整をこまめに行っている
廃棄する際、表紙をはずしている
平成13年4月以降、購入本についてはブックカバー焼却でも有害物質なしに
ブックカバーは、燃やしても塩素ガスが発生しないものを使用