協会報(~239号)

「図書館のYさん」裏事情

2012年3月19日 14時05分 [管理者]
「図書館のYさん」裏事情

 横浜市都筑図書館 吉田 薫

 
 皆様どうもお騒がせしております。私が図書館のYこと吉田です。この度は会報の貴重なページを割いて頂きありがとうございます。
 都筑図書館のティーンズボード(現ティーンズボイス)が話題になったそもそもの発端は、ミニコミ紙「タウンニュース」からの取材でした。記事を見た朝日新聞社田園都市支局の記者の方から取材があり、立て続けに講談社、NHK、そして読売新聞社を最後にこの騒乱(?)は終息しました。
 取材のたび「他の図書館のティーンズコーナーでも掲示板を設けているところはあるし、なぜこんなに注目されるのか?」と首をかしげていました。
 まずは当館とコーナーについてちょっと説明を…。
 都筑図書館(以下都筑)は平成7年4月に開館しました。港北ニュータウンの中心部である横浜市営地下鉄のセンター南駅から歩行者専用道路を4分程直進した都筑区総合庁舎の1階にあります。周辺にはデパート、大型スーパー、郵便局、警察署、大学病院という立地条件に加え、総合庁舎に150台収容の駐車場があるため、家族連れの利用が大変多く土日は特に混雑します。2005年度の年間貸出冊数は1,264,829冊、予約受付件数は159,983件でした。蔵書冊数は131,384冊です。司書は9人です。
 都筑にティーンズコーナー(以下コーナー)ができたのは平成14年10月でした。コーナーと言っても、最初はブックトラック2台でした。対象は中高生としています。以前から都筑ではある程度ライトノベルも収集していたので、ブックトラックではすぐに手狭になり、半年後に入口右手の壁際に高書架2本を設置し、ようやくコーナーらしきものになりました。(現在は低書架2本を増設)
 収容冊数はおよそ1,300冊ですが、実際にデータ登録されている図書はおそらくその3倍以上あります。手狭ですので人気が落ちついた図書や、完結したシリーズなどはデータを修正して、一般や児童の各書架に移管しています。移管は書架の鮮度を保つためにもこまめに行っています。設置当初はライトノベルが大半でしたが、石田衣良や宮部みゆきなど流行作家の青春小説や、職業しらべや学校生活、スポーツ、カルチャーなどの分類の図書の割合を増やしています。コーナーといっても椅子も机もなく、雑誌もここにはありません。当初は一般担当1人が兼務していましたが、現在は一般担当2人と児童担当1人が兼務でコーナー管理をしています。
 たまたまコーナー脇の壁に大きな掲示板があり、それを利用して平成17年1月にティーンズボードがようやく誕生しました。
 お薦めの本を書く鉛筆と投稿用紙、ポストを配置し、最初は司書のお薦め図書や新着図書の表紙のカラーコピーに書誌情報を添えたものを貼っていましたが、まもなく子どもからの投稿がぽつぽつとあり、感謝の気持ちを添えるために付箋でコメントをつけるようにしました。その子どもの好みがわかるときには、読書の幅が広がるような図書を紹介するようにしています。掲示板上ではお互い匿名ですし、カウンターでもあまり立ち入ったことを話しかけないようにあえて心がけています。それが思春期の子どもとの距離感に丁度良い気がしています。変な投稿もなく、真面目に他の子どもたちに向けて自分が良いと思った本を薦めてくれる子どもが多いので、最近では掲示板の前でじっくり読んでいる大人もよく見かけます。
 手の込んだイラストは少なく、立ち寄ったついでにちゃちゃっと書いたものが多いことも特徴です。常連の子ども達が一種独特の雰囲気をだしている図書館がたまにありますが、それとは逆の敷居が限りなく低い感じが都筑の良さかもしれません。
 コメントはあの白石さんに例えられるにはとてもとても拙いのですが、人間味がでるよう心がけています。司書にとって良い文章修行の場です。と、こんなことがあの記事の裏事情なのであります。この文章が少しでもお役に立つようでしたら幸いです。以上Yでした。

【オマケ】
 役立つと言えば…投稿から中高生の読書傾向が見えてくるので、選定の参考になります。
 また横浜では数館から担当者が集まり、ティーンエージャー作業部会で定期的に選定のための情報収集および情報発信を行い、それも選定の参考にしています。