協会報(~239号)

目指せ!小さくとも頼れる図書館

2012年3月19日 14時55分 [管理者]
★目指せ!小さくとも頼れる図書館
 
大井町図書館 丸本伸枝

 大井町図書館の様子
 大井町図書館は大井町立中央公民館の1階部分に、公民館図書室として設置されています。町の中心部に位置し、比較的車での便が良いところからか町外の利用者も多く、また生涯学習施設として中央公民館を利用する方が図書館も有効的に利用しているといった姿が見受けられます。家族連れや子どもたちだけで利用する姿も多く見られ、また高齢者の方々も多く利用されています。また昨年度と今年度にかけて、カウンターを低くし、入口ドアも手動から自動に変更して、施設的にも利用しやすくなりました。

目指した図書館づくり
広域利用協定が多く結ばれるようになり、利用者は近隣市町の図書館でも比較的容易に利用できることから、成人については自分の目的に合った図書館を選択することが可能になってきたと思います。そこで当館は町の施設として地域に密着した図書館を目指し、まず子どもたちへの読書の充実に重点を置いて図書の収集、配架を行ってきました。児童書の見直しについては、次の3点を主に変更しました。

1 読物の配架の見直し
 今まで国別の著者別に分けて置いてあった読物を国に関係なく著者別だけで配架しました。分けてあった外国の読物も日本の読物と一緒になることで、手に取りやすくなり、幅広い資料と触れることができるようになりました。

2 お勧め本をまとめて配架
  一定の評価のある絵本を複本で購入し、「おはなしの部屋」へまとめて配架しました。カーペット敷きの部屋なので、子どもたちが自由なスタイルでのんびり選び、本を楽しむことができます。また親子連れで絵本を選ぶ姿がよく見られるようになりました。

3 幼児から低学年ぐらいまでの絵本と読物を段階的に配架
  一定の評価のある絵本から物語までを選んで5段階に分け、入口近くの棚に配架しました。わらべ歌の本も一緒に置いたので、ベビーカーを押す方の姿がよく見られます。子どもたちが入ってきてすぐに目にする位置なのでとりあえずその棚を見る子も多くなりました。お話会などに携わっている方にも利用しやすいようです。

新たなサービス、図書館システムの稼動
平成18年3月1日に図書館システムが稼動して半年が経ちますが、ブラウン式貸出の時よりも貸出冊数は2倍、予約件数については3倍増加している状態です。今までの目録カードによる検索と異なり、利用者端末で簡単に資料を調べることができるようになったので、利用者がより多くの資料の情報を得られ、資料を選択する幅が広がったことも貸出や予約の増加につながっているのではないかと思います。他にも延長手続きを電話でも受けられるなど、ブラウン式貸出ではできなかったことが、新たにできるようになったこともあり、少しずつですが、以前より便利で使いやすい図書館になっていると思います。
今回の電算化では新たなサービスとして始めたことが主に3点あります。
1 ホームページの開設
 ホームページを開設し、情報発信の場として活用し、蔵書検索も出来るようになりました。なおインターネット予約については現在検討中です。

2 読書支援サービスの開始
 自分の読書の履歴を3.5インチフロッピーディスクに記録として残せるサービスです。個人情報は残らず、ご自分の読書記録として上書きが可能です。

3 そうわ会館図書室との連携
 町内にある図書室とオンラインで結ぶことにより、どちらの図書室でも貸出、返却ができるようになりました。町内に住む誰もが、同じ条件で、必要な資料を借りることができるためには、町内の図書室をオンラインで結び、連携を取ることがどうしても必要でした。所蔵資料を有効に利用できるようにもなり、新たな事業として最も実行したかったひとつです。

今後の図書館作り
 図書館が電算化されたことで、資料管理が簡単になったことは、今後様々なサービスや事業を提供できる可能性が増えました。今は新しいシステムに慣れることに追われていますが、利用者の方々のより良い読書の手助けができるよう、徐々にできるところから始めたいと思っております。
(更新:2012年3月19日 14時58分)