協会報(~239号)

図書館ボランティアの新しい取り組み

2012年3月19日 14時24分 [管理者]
図書館ボランティアの新しい取り組み
  ~「座間図書館ボランティア友の会」の「図書館活用講座」~

 座間市立図書館に「座間図書館ボランティア友の会」(以下、「友の会」と略)が発足してから約8年が経過しました。「友の会」では日常活動のほか古本市(「ワンスモアブックスフェア」)や見学会、また最近では「図書館活用講座」にも取り組み、図書館とのコラボレーションのみならず、自主的な活動にも取り組んでいます。
 ここでは新しい試みとしての「図書館活用講座」の紹介を中心に、「友の会」の様子を報告したいと思います。

1.「座間図書館ボランティア友の会」の活動
 「友の会」は平成10年6月に発足した団体で、会員は現在22名(平成18年7月現在)、30歳代から70歳代までの方が所属しています。活動日は毎週水曜日が定例で、他に催し物のある日や館内整理日・蔵書点検日などとなっています。
 「友の会」では会の目的と活動を「活動の目的と3つの柱」として次のようにまとめています。

(目的)
「図書館と協力して図書館と利用者とのコミュニケーション関係を作っていくとともに、自己の充実や心豊かな学習の場とすること」
(活動の3つの柱)
◆館内整理等での配架作業、書架の整理等の奉仕作業および各種事業への参加協力
◆学習会や見学会等により、会員の意識・知識の向上を図る。
◆自主事業(講演会、バザー等)の開催
 (『図書館から生涯学習をはじめよう』遠藤春海編 座間図書館ボランティア友の会発行 2005.11 p17)中でも不用資料のリサイクルであるワンスモアブックスフェアは基幹的活動となっています。

2.「友の会」と「図書館活用講座」
1.きっかけ
 「図書館活用講座」を始めるきっかけは、会員からの声にありました。
・図書館は大好きな場所。もっと楽しみながら使いたい。
・いつも図書館に来てボランティアをしているが、図書館の使い方や利用法がよくわか らない。
・図書館の本当の「実力」を知り、使いこなしているだろうか?活用法を知れば、今ま でよりもっと楽しく図書館で活動できるかもしれない。

 このような声をうけ、平成16年5月に「図書館活用講座」を開始しました。「図書館活用講座」の目的については次のように書かれています。
講座の目的は「学んでいく道のり」です。道のりは「学んでいくそのもの」です。学ぶ過程でさまざまな学び方に出会って試みてみることで、参加者は学び方が身についてきます。(『図書館から生涯学習をはじめよう』遠藤春海編 座間図書館ボランティア友の会発行 2005.11 p9)
 活動は学習会と図書館クイズ、そして見学会を中心に行っています。また、ここで培われたノウハウは当館で行う講座-「なるほど図書館塾」や「夏休み自由研究応援講座」-などにも活かされています。

2.平成16年度の活動
5月 第1回講座「図書館を使いこなす法」
6月 第2回講座「図書館を使った調べ学習の紹介」
8月 第3回講座「『情報大航海術』~図書館が個性豊かな学びを支える~」
10月 第4回講座「コンピュータ検索体験」
10月 第5回講座「ちょっと調べたミニ発表会」
11月 第6回講座「司書の仕事ってどんなこと?」
11月 特別講座「鳶尾山ハイキングと一等三角点」
12月 第7回講座「市史編さんとは?」
1月 第8回講座「みんなの資料収集・整理法を聞く情報交換会」
※「図書館クイズ」の体験
 また平成17年度もほぼ同様の内容で講座を実施しており、平成17年7月には「国立国会図書館見学」を行いました。

3.2年間の活動を振り返って
 平成16年度と17年度の活動をまとめたのが『図書館から生涯学習をはじめよう』(遠藤春海編 座間図書館ボランティア友の会発行 2005.11)という記録集です。この記録集は「第9回図書館を使った“調べる”学習賞コンクール」(NPO法人図書館の学校、日本児童教育振興財団主催)に応募、「優秀賞・活字文化推進会議賞」を受賞し、平成18年2月に表彰式が行われました。
 なお、「友の会」会長の遠藤春海さんは、「第6回図書館を使った“調べる”学習賞コンクール」において、『紙の宝石・蔵書票との出会い』という作品で、優秀賞(一般利用者)を受賞しています。