協会報(~239号)

多様な図書館経営-いろいろな形態のマンパワーを活用して

2012年3月22日 11時49分 [管理者]
多様な図書館経営-いろいろな形態のマンパワーを活用して-

 2007年4月、国立国会図書館長に就任された長尾真氏は2008年創立60周年を迎えるにあたり、自らの使命を再認識し、目指すべき方向について、「知識はわれらを豊かにする」というビジョンを掲げ、これを実現していく具体的な目標として、7つの課題を掲げました。就任以来、長尾館長はいろいろな場所で、機会あるごとに図書館からの情報発信に努めて、国立国会図書館の存在が以前にも増して身近になっています。
 さて、今回は特集テーマに、「多様な図書館経営―いろいろな形態のマンパワーを活用して」を採り上げました。図書館を取り巻く環境が厳しい中、館種を問わず、図書館は利用者の視点に立って、多様で魅力的なサービスを提供するために、いろいろな方策を講じています。
 『これからの図書館像~地域を支える情報拠点をめざして~』(平成18年刊)は、従来の閲覧・貸出・リクエストサービス等を維持しつつ、新たな視点からの取組の実施、図書館のサービス機能を発揮するために必要な図書館経営の改革等、を提言しています。

○図書館資源の配分の見直し-図書館の経営方針や、資源配分の優先順位と
 比率の見直しが必要。
○職員の意識改革・資質・能力の一層の向上-コスト意識や将来のビジョン
 を持つことなどが必要。
○利用者の視点にそった弾力的運営等-利用者の視点に立った経営方針の策
 定や、サービス内容の見直しが必要。

 また、上記のような課題に取り組むには、図書館の業務に優先順位をつけるとともに、何をどこまで行うのか、あるいは、何がどこまでできるのかを、図書館の実情に照らして判断する必要性があるとも記しています。
 今回、執筆いただいた事例をみると、図書館はいろいろな雇用形態を導入することで、適材適所の人材を活用した図書館経営を図りながら、サービス向上等に取り組んでいます。これらの事例からは現在の図書館の内包している諸事情が見てとれます。


(更新:2012年3月22日 11時49分)