協会報(~239号)

新規加盟館紹介「(財)大倉精神文化研究所付属図書館」

2012年3月23日 14時25分 [管理者]
新規加盟館紹介(平成23年4月加盟)

(財)大倉精神文化研究所附属図書館ー港北の丘からこんにちはー
  

設立の趣旨と沿革
   (財)大倉精神文化研究所は、来年、創設80周年を迎えるが、当図書館は創設者大倉邦彦が心の修養や研究、特に青少年の教育を目的として昭和7年に設立した研究所の附属図書館として開館した。
   開館に先立ち、大倉は大正15年3月から10ヶ月間ヨーロッパを視察し、先進国の図書館事情を調査し、8,000冊を超える洋書もその折に購入し、これらは現在も図書館の貴重な資料群である。
   創設時は無料公開であったが、戦後、財政難のため一時有料化。昭和25年から10年間国会図書館の支部図書館となる。昭和56年には研究所の土地を横浜市に売却し、建物は寄贈。昭和63年からは専門図書館として一般に無料公開している。このように、紆余曲折を経てきた研究所であるが、社会貢献を旨とする大倉の思想はその運営に、今も生きている。
   さて、当研究所と神図協の縁は開設当時に遡る。昭和8年9月協会報創刊、その第一号には会員として名を連ね、研究所の写真は、第四号の表紙を飾っている。第二号の神奈川県図書館調査では研究所の蔵書冊数は約45,000冊で県内第一位、第二位の横浜市図書館は35,000冊であったという記述がある。(『郷土かながわ』第41号 平成15年3月刊「大倉邦彦と横浜」打越孝明論文参照)

設備の概要
   閲覧室は50㎡、閲覧席は6席である。書庫は5層構造で各層154㎡、開設当時、最新であったアメリカのライブラリービューロー社の積層式書架を導入しており、収容能力は12万冊である。
   書庫にはブックリフトが備えられ、換気についても、地下のボイラーにより乾燥空気を送り、湿気を防いでいたが、今はその設備はない。
   なお、歴史的図書館用品も数多くあり、全国的に評価されている。

 蔵書の特色
   哲学・宗教・歴史・文学など入門書から専門書まで幅広い。特に神道・仏教・儒教・日本史は古書から新刊書まで奥深く収集。また、特殊コレクションは当研究所ならではの蔵書群である。

  


   1門の貸出が特に多いのは収書の傾向が周知されてきたのであろう。蔵書数は平成23年10月末現在で以下のとおりである。
〈図書〉97,868冊(開架:20,595冊―貸出可、閉架:77,273冊―貸出不可、コピー可)
〈雑誌〉834誌(宗教関係雑誌、大学紀要など)
〈新聞〉7紙(一般紙、宗教関係紙)
〈視聴覚資料〉149点

特殊コレクション
   〈タゴール文庫〉約160冊(デジタルアーカイブにて公開)。〈大倉邦彦文庫〉和書2,552冊、洋書・雑誌200冊。〈古文書・古記録影寫副本〉280点759冊。〈旧制高等学校文庫〉2,190点。〈榊原文庫〉和書・漢書3,972冊。〈金沢甚衛氏旧蔵資料〉和書509点。〈松井文庫〉和書・漢籍・洋書約4,000冊。〈大周寺文庫〉仏教関係文献4,053冊。〈服部文庫〉和書・漢籍281点434冊。なお、開設当時からの沿革史資料4,546点は横浜市指定文化財となっている。

利用のご案内
開館日:火曜日~土曜日 9:30~16:30
休館日:日・月・祝日・年末年始
貸 出:一人5冊 2週間
コピー:1枚30円