協会報(~239号)

神奈川県資料室研究会の研修活動

2012年3月19日 11時42分 [管理者]

神奈川県資料室研究会の研修活動
                                県立川崎図書館 大塚 敏高

 神奈川県資料室研究会(以下、神資研)は、企業、大学、公共機関等の資料室、図書館で構成され、正会員は現在110機関ほど。会員の約8割は、企業資料室である。1963年に発足して以来、40年以上にわたって神奈川県域をベースに、館種を越えたネットワークとして活動を続けている。県立川崎図書館は、その事務局を務め、館長が会長に就くことが会則で定められている。
 神資研は、会員機関相互の連絡を深めるとともに、時宜に合った研修を実施し、それぞれの資料室の充実と運営の活発化を図ることをめざした活動を進めている。会員機関には、少人数の担当者で運営されているところが多い。たった一人で運営している「ワンパーソンライブラリー」も少なくない。厳しい条件の中での業務遂行を課せられているため、図書館業務の新しい動向に関する情報を入手するなどといった研修の機会はなかなか得にくい実態がある。神資研活動の大きな柱として、研修が位置付けられているのは、こうした会員機関の強いニーズによるものでもある。
 毎月1回定期的に開催される例会が、主要な研修の機会である。例会は、講演会、パネルディスカッション、見学会などいくつかのバリエーションで開催され、会場は、見学会以外は県立川崎図書館である。とりあげるテーマは、会員の要望をもとに理事会で検討して年間計画を決めている。最近の例会で取り上げた主なテーマは、下記のとおりである。実務に即した「泥臭さ」と「半歩先を行く」ことをモットーにしたテーマ選びを心がけている。例会参加者は、毎回30名ほど。2004年度では、電子ジャーナル、著作権をテーマとした例会への参加者が多かった。
 例会に参加することで、人的ネットワークが広がるという効果も生まれている。少人数で運営している資料室担当者にとって、「人」のつながりをつくることも、研修の成果のひとつといえよう。
 主な例会テーマ:検索エンジンGoogle人気の秘密(講演会 04.7),統計データの探し方(講演会 04.10),身近な話題・ニュースで考える著作権(講演会 04.12),海洋研究開発機構地球情報館(見学会 05.1),電子ジャーナル利用の現状と動向(講演会 05.2),インパクトファクターを解き明かす(講演会 05.3),味の素食の文化ライブラリー(見学会 05.4)

(更新:2012年3月19日 11時42分)