協会報(~239号)

特徴のある加盟館 第16回 まなづる図書館

2012年3月19日 10時52分 [管理者]
● シリーズ 特徴のある加盟館 第16回


まなづる図書館

 新館オープンのまなづる図書館をご紹介します。(図書館法による図書館となりました)
 平成16年10月10日(日)、前日に予定していた開館記念講演が台風のため延期になるというアクシデントもありましたが、無事、まなづる図書館開館の日を迎えることができました。
 まなづる図書館はJR真鶴駅から徒歩5分、商店街の真ん中にあり「地域情報センター」との複合施設で、図書館は3階にあります。500㎡弱のワンフロアーという、とてもこじんまりとした図書館ですが、その中に新聞雑誌コーナー、児童書コーナー、おはなし会のできるキッズコーナー、一般書・閲覧コーナー、事務室(8千冊収容の閉架書庫を含む)を設けています。
  特徴的な施設としては、図書館内に無線LANによるインターネット接続環境を作り、希望者にノートパソコンを貸し出してインターネットによる調べ物ができるようにしています。また、書架は地震の際図書の落下が少なく倒れにくい「免震書架」を採用し利用者の安全に配慮するとともに、低い書架で書架間隔も広くとり、圧迫感をなくして車椅子でも支障なく通れるようにするなど、利用者にとって快適な環境を提供できるように工夫しています。
 また図書館の売りのひとつとして、東西の窓際に設置されている学習席からの眺めがあります。東の窓からは相模湾、西の窓からは緑多い山がのぞめる景色のよさも利用者には喜ばれており、つい長居をしてしまうという声が聞かれるほど、長時間ゆっくりと過ごして行く方が多くみられます。


 開館からあっという間に3ヶ月が過ぎ、利用登録者もおよそ千三百人を超えました。真鶴町の人口は9千百人あまり。順調に利用登録者は増加しています。子供や中・高校生の利用も増え、さらには近隣市町の住民の方や、いわゆる別荘族の方も多く利用されています。予約・リクエストも大幅に増えました。これは、図書館システムの導入により蔵書が簡単に検索できるようになったことも大きな要因となっているようです。
 11月23日には延期になっていた開館記念講演「志茂田景樹さんのおはなし&講演」を開催、12月7日には作家宗田理さんの講演会を開催しました。また、ボランティアの方にお願いし、月2回キッズコーナーで行っている「おはなし会」も定着しはじめ、1階のイベントフロアで開催した「クリスマスおはなし会」には親子づれなど100名以上のかたが集まり、たいへんなにぎわいとなりました。
 旧公民館図書室の頃から利用者に活用していただいていた「リサイクルコーナー」も図書館入り口に設置し、利用者が不要になった本を自由に置いて他の方に利用してもらうなどのサービスも引き続き行っています。
 このようなイベントやサービスを提供することで、図書館が住民の方たちに広く親しまれ、活用されるようになればと思います。また、今後は高齢者へのサービスも充実していかなくてはと検討しているところです。
 また、石材と漁業の町である真鶴の特徴を活かし、より多くの方に活用していただけるよう郷土資料の収集整備をすすめ、さらには寄贈をうけた、郷土にゆかりの深い詩人前田鐵之助氏の蔵書や、中川一政画伯の画集や随筆集などの資料を整備し、有効に活用していけるようにと作業を進めています。
 厳しい財政状況ではありますが、見かけは小粒でも中身のつまった図書館をめざしていきたいと思っています。

<まなづる図書館 小澤寿美枝>