郷土・出版委員会一年の歩み
2012年3月19日 12時21分 [管理者]本郷土・出版委員会は、貴重書を掘り起こして翻刻し、その普及を図ることを目的に設置されている委員会で、第1集「地誌篇」(昭和34年)以後13篇の翻刻と、特別篇等3篇を刊行してまいりました。
昨年度、県立図書館開館50周年に合わせて番外篇「神奈川県図書館協会の歩み」を刊行したので、今年度は、新たな刊行事業の方向性を検討する年度と位置付け、活動してまいりました。
その方向付けとして、第13集「神社明細帳(三浦郡)」(平成10年)以降、翻刻事業が途絶えているため、これと正面から取組むこととなり、どの資料にするのかの具現化作業に入りました。
これまで翻刻した中で、「神社明細帳」は三浦郡だけで刊行が終わっており、「皇国地誌残稿」は未登載地域があることから、この二つに絞ることとなりました。このうち「神社明細帳」につきましては、未刊行分の資料を県立公文書館が所蔵しており、翻刻にいつでも着手できる状況にあることから、先ず、「皇国地誌残稿」の資料所在状況を調査することになりました。これは、この関係の翻刻について、「神奈川縣皇國地誌殘稿(上巻)」(昭和38年)、同「(下巻)」(昭和39年)で橘樹郡から津久井郡に至る10郡147ヵ村を、「神奈川県皇国地誌相模国鎌倉郡村誌」(平成3年)で鎌倉郡89ヵ村をそれぞれ収録した状況にありますが、村誌刊行以来、既に15年の歳月が経過し、この間に市町村史編さん事業が進み、その中で所在状況の把握が飛躍的に発展していると考えられることから、実施することになったものです。
これまで第1回で方向づけを確認し、第2回で皇国地誌の共通理解等を行い、第3回で調査票の検討と下準備を行い、12月の第4回委員会で、2月10日を期限に各市町村の編さん事業担当あてに、発送作業を行ってきました。今後は2・3月に各1回の委員会を開催し、とりまとめを行うことになっております。
<委員長 小田原市教育委員会図書館長 大木 徹>