協会報(~239号)

川崎市立図書館地域資料デジタル化への取り組み

2012年3月19日 14時33分 [管理者]
★川崎市立図書館地域資料デジタル化への取り組み


 川崎市立図書館の活動の一つに、地域資料担当者会議がある。
川崎市の地理的特異性として東西に長く南北に短い点、臨海部、内陸部、丘陵部と分断する形で整った道路及び鉄道網とあいまり、各々のエリアが持つ文化や特徴が大きく異なっている。そのため各地区館の担当者が集まり情報交換を含め、さまざまな取り組みを行なっている。今回、平成16年度おこなった活動の一環を報告したいと思う。
1.地域資料データベースの作成
記事検索のツールはたくさんあるが、新聞の地方版まで網羅しているものはなく、またインターネット上も期間限定で消えてしまうものが多い。記事をデータベースとして残し検索できるよう、『川崎市関連新聞記事データベース2000-2004』を作成した。
収録紙は朝日、神奈川、産経、東京、日本経済、毎日、読売各紙朝刊の川崎関係の見出し及び川崎市内の2大タウン誌、多摩川新聞とタウンニュース各区版である。マイクロソフト社のAccessソフトを使って作成し、簡易な検索を可能にした。
データは、川崎市議会事務局が、議員及び各局配布用に作成した冊子体の「新聞雑誌記事索引」である。最近のものは電子ファイルになっていた物を取り込み、それ以前のものは冊子をスキャナーで読み込み、電子化して5年分のデータベースにした。
現在業務上で使用し、Web公開に関しては著作権の問題から予定はしていない。ただし、庁内支援の一環として『川崎市イントラネットシステム』での公開に向けては努力をしていきたいと考えて
いる。また、見出しまでは検索できたが記事を見たいという時、中央館のない川崎市では所蔵している各館に依頼せねばならず、取り寄せに1~2日ほどかかり、利用者に不便をかけてしまっている。
とはいえ、今回このようなデータで残すことができたこと、検索が可能になったことはとても大きなことであると思う。来年度以降も継続させて、データベースとしてより多くの方に活用してもらえるよう、またデータを遡及して取り込み、年代をさかのぼって検索ができるよう努力していきたい。
2.浮世絵コレクションの作成
図書館が所蔵している川崎が題材の浮世絵約60点をCD-ROM化し、解説をつけ市内の各図書館で閲覧を可能にするサービスを開始した。
インターネット上にホームページを作成するのと同じ方法で、htmlを使い作成したのだが、技術的な方法を習得するところからのスタートで、デザイン的にいかに見せるかたちにするかが難しかった。
これまで貴重書扱いで、ほとんど公開をしたことがなく書庫にあったものを、多くの方に見ていただこうと、職員が一枚ずつスキャナー(解像度600×1200dpi)でパソコンに読み込み、各々に可能な限り解説をつけ、テーマに沿って大きく下の8つに分類した。
1.川崎宿と六郷の  
渡し 
2.東海道
3.大師参詣
4.地場産業
5.故事・役者絵
6.多摩川
7.調布玉川
8.京浜間鉄道

館内閲覧のみに限っているが、自宅でゆっくり見たい、プリントアウトをしたいといった要望が寄せられており、ホームページ上公開ができないか検討中である。
 図書館の資料は宝の山である。多くの利用者に喜んでもらえるよう、新たなサービスを考え、資料を活用していきたいと考えている。