協会報(~239号)

神図協この1年の動き/企画委員会

2012年3月22日 13時37分 [管理者]
神図協1年の動き

 神奈川県図書館協会80周年記念式典が行われてから早いものでもう1年半ほど経ちます。81年目の協会は、長い伝統を踏まえ、新しい事業を展開し、次の10年に向かって静かではあるけれど着実に歩みを進めました。
 昨年の図書館総合展はその前年の80周年記念式典にも勝るとも劣らない素晴らしい成果を上げました。講演会は県内外の図書館にとって関心の高いテーマである「図書館の危機・安全管理」を取り上げ、好評を博しました。また展示会ではテーマと関連付けた実際の加盟各図書館で作成した多彩なポスターを紹介しました。この展示では一見すると何の変哲もない各図書館の手作りポスターの紹介でしたが、そこに描かれているのはまさに現在の図書館課題に対応する利用者と図書館の間にあるテーマである危機に対応することや安全を確保する姿勢をリアルに表現したもので、多くの賛同や共感を得たのです。
 一方、図書館界を取り巻く環境は厳しいものがあるのも事実です。公立図書館にとって、指定管理者制度による図書館運営の方法は避けて通れない課題であると言えますし、業務そのものを市場で競争させる考えも出てきています。大学図書館にとってのアウトソーシングは日常化し、委託は進行しています。図書館関連の業務を行える会社やノウハウは明らかに社会に広がっています。書店、取次会社、出版社などの再編も進行し、10年前では想像できなかった環境になっています。逆説的ですが、先述した図書館総合展では、多くの会社や図書館などが最新の機器を展示していましたし、新しい考えに基づく図書館経営などの説明を多くのブースで行っており、その姿は活気が満ちていました。
 図書館にとって難しい時代は今日に限った話ではありません。いつの時代でもさまざまな課題を抱えているのです。当協会の特徴は館種の異なる図書館の職員が知恵を出し合い、図書館全体の課題を議論できることなのです。平成22年4月からの新しい年度でも先人の培った伝統を活かし、公立図書館、大学図書館、専門図書館の連携をこれまで以上に強固にし、新たな課題に立ち向かっていきたいものです。
 


(更新:2012年3月22日 13時57分)