協会報(~239号)

郷土・出版委員会 活動報告

2012年3月19日 16時04分 [管理者]
郷土・出版委員会 活動報告

 18年度は、前年度の方針を引き継いで新たな刊行事業の方向性を検討し、調査活動をする年度でありました。
 前年度には「皇国地誌残稿」の資料所在把握状況の調査を行いました。「皇国地誌残稿」の翻刻については、前年度の会報(№215)にも掲載されましたとおり『神奈川縣皇國地誌残稿(上・下)』(昭和38・39年)、と、『神奈川県皇国地誌相模国鎌倉郡村誌』(平成3年)があります。しかし、村誌刊行以来、既に15年の歳月が経過し、この間に市町村史編さん事業が進む中で、所在状況の把握が飛躍的に発展していると考えられることから、調査を実施したものです。
 これを受けて、今年度は、最初にこの調査集計作業を行い、その結果は、調査に協力いただいた自治体に報告致しました。
 また、この調査結果をもとに改めて、「皇国地誌残稿」翻刻を内容とした『郷土資料集成第14輯』刊行の可能性について検討を行いました。この結果、前述の調査結果(皇国地誌残稿所在状況)に加えて、既に翻刻刊行されている皇国地誌の状況を把握する必要があると判断し、今年度はこの調査(翻刻刊行状況調査)を行うこととなりました。
 具体的な作業としては、前掲の皇国地誌残稿翻刻資料、県立図書館所蔵検索で把握可能な範囲での皇国地誌関連資料、および県内自治体の教育委員会発行の地方史(自治体史)について、登載地域の調査を行いました。現在この調査結果を集計・整理している段階です。
 しかし、『郷土資料集成』としての刊行にあたっては、精度の高い資料内容を求められるものであり、皇国地誌の翻刻について、現委員が自力で作業を継続することには、時間的な制約や専門分野での判断等の問題があるとの委員会内での意見があることから、翻刻刊行の可能性を含め、改めて検討する必要があります。
 平成17、18年度の2年間をかけて、皇国地誌関連の調査等を行い、新たな刊行事業の可能性を模索してきましたが、具体的な刊行事業計画については、次年度以降引き続き検討となりました。

<委員長 南足柄市立図書館長 鈴木哲夫 >