協会報(~239号)

勇退にあたって/「図書館の充実」堂々第2位

2012年3月19日 16時15分 [管理者]
「図書館の充実」堂々第2位


定年退職を目前に神図協広報委員会より何かメッセージを、と依頼される。酒とホラ吹き人生について一度原稿をしたためたがあまりにも品性に欠け、自己嫌悪。そこで最近嬉しかったことを少々。

 藤沢市民満足度調査が発表された。5年程前から毎年続けられている。市の総合計画課題70数項目の中から、市民の行政施策の満足度と重要度をアンケート調査により計数化したものである。
その中で、「図書館の充実」は、環境、福祉、防犯、経済等市民の命や安全・安心等暮らしに直結する課題が上位にひしめく中で、満足度は堂々第2位。一方重要度となると35位の平均ランク。さてこの落差をどう読みとるか。

ある雑談の場で市の幹部から「満足度が低く、重要度の高い施策に予算を投入するべきは自明の理。図書館予算はもうよい」との声。図書館をあずかる私としてはムッとしたが、咄嗟にうまく論駁できない。予算折衝や理事者調整等の場で、この種の議論になったら、簡潔明瞭に、心底から説得できずともあいつの言うことも一理あるなと思わせるくらいの論理と意気がなければダメ。

そこで図書館職員に宿題をお願いした。「この調査結果をどう読めばよいか、今後の図書館運営は?」の考えをメモで出してほしい、と。1週間もない期限の中で全員がレポートしてくれた。紙面がないので印象に残る意見を少々。

①目玉商品は大事にすべき。
②効率性、自己中心主義の現代社会の中で功利性を超えた図書館の重要性は、読書人は自明のことだが市民アンケートの重要度の多数意見にはなり得ない。
③様々な暮しに直結する課題の中で重要度も大健闘。これからは満足度下位、重要度上位の施策に関わることが図書館の課題、等々。
その他具体的提言多数。

そして皆のレポートに共通する精神は、司書有資格者半数に満たず、平均5年程の図書館在職者であるにかかわらず、満足度2位はこれまで図書館を担い支えてくれた多くの先人達の努力の賜物、感謝を忘れず維持、発展させていくことが私達の使命、と口を揃えて言ってくれたこと。
行革の嵐の中で、今後どのように具体的に課題を実現させていってくれるのか、後輩に期待するのみ。