協会報(~239号)

研修会レポート① TRC新座ブックナリー見学記

2012年3月23日 09時23分 [管理者]
研修会レポート①

TRC新座ブックナリー見学記  


 栗田コミックセンター、凸版印刷、徳間書店、三笠書房流通センターなどの建物が近くに点在する。新座・志木・朝霞というあたりは高速も近く交通の便がいいせいか出版・印刷業関係の流通センターなどが集中している。
 TRC新座ブックナリーは昨年新たにオープンした施設。今回の参加者は担当も含め13名。
 午前に概要説明を受けながらABC3棟が並ぶセンター内を見学。13,000㎡。大きな4層の建物内にはコンベアが張り巡らされ、その上をオリコン(折りたたみ式コンテナの略?)が次々に流れて行く。一見、物流業界の配送センターか工場・倉庫の配送・搬出センターを連想させる。在庫している商品(主に書籍)総数は見学日の現在数で9900タイトル、130万冊。児童書に限るとタイトル数・数量ともに在庫数、業界No.1だそうだ。機械類ではブックコーティングマシンが面白い。現在2台稼働中だが、将来は20台程度導入してコーティング作業の自動化を進めていく計画という。(ちなみに1台、数千万円とか)
 ここではこれらの本を各図書館や個人(bk1のオンラインショップ)の注文に応じて、棚出し(ピッキングと呼ばれていた)、ラベル・バーコード・ブックコーティングなどの装備、そして梱包・発送するという作業が行われている。データは各層に張られた無線LANを利用して管理。毎日24時間体制3~4交代制で延べ約600人ほどが働いているそうだ。
 (この工程はTRCデータ部の新座ブックナリー見学記1~5に写真入で紹介されているのでhttp://datablog.trc.co.jp/2010/04/01173547.html & http://datablog.trc.co.jp/1900/ 興味のある方は是非どうぞ。)
 午後はMARC作成部の松木暢子さんからTRCMARCの概要、歴史、課題などについてお話をいただいた。MARC21への対応、多言語対応など課題も含め面白く聞かせてもらった。
 質疑応答では、国会図書館の事業との関係、TRCMARC更新データの扱い方、日販MARCや東販の新たなMARC作成との関係、電子データと紙媒体の関係・図書館の存在意義など話題がさまざまに展開されとても興味深い内容でした。

(神奈川県立外語短期大学図書館 高梨 潔)

(更新:2012年3月29日 11時52分)