協会報(~239号)

巻頭言 県視連から神図協へ引き継ぐべき事柄について

2012年6月10日 10時31分 [管理者]

巻頭言  県視連から神図協へ引き継ぐべき事柄について

元神奈川県視聴覚教育連盟専門委員会委員長
相模原市視聴覚ライブラリー
 梶浦 唯史


    県視連は、県内における視聴覚教育活動の促進を目的として、1956年4月に設立されました。そして、2011 年度をもって解散となり、55年に及ぶ歴史に幕を下ろしました。県視連の「研修分科会」と「広報分科会」は、神図協の「研修委員会」と「広報委員会」に統合されます。県視連が解散に至った背景には幾つかありますが、視聴覚センター・ライブラリー(以下:ライブラリー)の単独館が全国的に減少し、図書館の一部となっている施設が増えたこと、専門・専任職員の確保が難しいことも、要因の一つとなっています。
    本稿では、県視連が育んできた視聴覚教育の専門的知識・技術のうち神図協に引き継ぐべき大きな要点について述べます。既に図書館の一部としてライブラリーが運営されている施設においては、その機能を向上する一助になればと思います。

1 .16ミリフィルムを除く視聴覚教材は、著作権の設定が全く異なること。

    ライブラリー所有のVHSやDVDビデオ(以下:ソフト)は、館外上映・団体貸出が可能用に多額の保証金を著作権利者に支払い購入しているので、館外・団体上映のできるソフトはライブラリー所有の教材のみとなります。逆に、団体貸出が可能な教材でも、その教材を個人貸出に供することは、著作権利者の反対により現在認められていません。したがって、図書館とライブラリーの教材は、全く異なる権利を備え貸出対象も異なるソフトなので、人気のある競合ソフトについては、図書館でも購入していただきたいと思います。

2 .16ミリフィルムを保有する施設では、映写機を熟知する専門性の高い職員が必要なこと。

    16ミリフィルムを貸し出す施設では当然のことですが、映写機メーカーが今では修理を行っていないことから、映写機の構造・操作・補修や貸出機材の構造を熟知した職員の配置が望まれます。また、デジタル編集技術も普及している今日では、その技術を修得することも必須となってきます。

    以上、詳細は記せませんでしたが、「図書館とライブラリーの異なるところ」を埋めていくことが、今後の神図協で行うべき事柄の第一歩と思います。

(更新:2012年6月10日 10時40分)