協会報(~239号)

特集:神図協この1年の動き 郷土・出版委員会

2012年6月10日 10時32分 [管理者]
特集:神図協この1年の動き

郷土・出版委員会

委員長 鎌倉市腰越図書館長
 中田 孝信
  


    当委員会は平成23年度、事務局を含め7名の委員が全員新メンバーとなったため、まずこれまでの活動内容を確認することから開始しました。
  ここ数年の活動は、平成10年以降刊行されていなかった郷土資料集成の第14輯を「皇国地誌残稿」翻刻として刊行することの可能性について検討するため、平成17年度に県内の「皇国地誌残稿」の資料所蔵状況調査を実施し、翌18年度に調査の集計作業と調査に協力いただいた自治体への結果の報告を行いました。平成19年度になると神奈川県図書館協会80周年記念事業協力のため刊行事業を中断し、20年度に『神奈川県図書館協会の歩み2』を刊行しました。21年度には18年度の調査結果を基に新たな刊行事業の可能性を検討したところ、前記調査の結果を資料の所在が明らかになる目録・索引等としてまとめていくことになりました。
 このような経緯の中、平成22年度郷土・出版委員会においては、郷土資料集成第14輯「皇国地誌」の翻刻刊行を一応の目標として、その方向性を定めるために、まず、平成17・18年度の調査結果を資料の所在が明らかとなる目録・索引等としてまとめていくことといたしました。
  そこで私たちに課せられた23年度の課題は、同調査を基に所在が明らかとなる目録・索引を成果物としてまとめるための準備作業を行うことでした。課題が明らかになっていながら実際に取り組んでみると三つの大きな問題にぶつかりました。一つ目は先代の委員と違い私たち委員全員が郷土資料の専門家でないことです。これは取り組む前から分かっていたことですが、実際作業をしてみると専門家との視点の違いを実感させられました。二つ目は調査から既に6年が経過してしまっていることで、回答内容に異同が生じている可能性があることです。三つ目はその調査結果自体は当初刊行(公開)を目的としたものではなかったことです。
  それら三つの問題に対して、一つ目の問題については、資料の刊行は専門家のためだけではない、自分たちが利用することを想定して利用しやすいよう整理するしかないと判断し作業をしています。また二つ目三つ目の問題については、異同の有無の確認と調査結果の刊行について改めて確認を取り、修正する必要があれば修正していこうという方針で作業を進めています。
    年数回の会合では足りず、委員各位には各自に宿題を課して作業に取り組んでもらっていますが、私たちの2年の任期中での刊行は既に難しい状況となっています。これまでの調査を無駄にすることのないよう確認作業等を着実にすすめ、まとめていきたいと考えています。