協会報(~239号)

研修会レポート3「子供に絵本を手渡す大切さ」

2012年6月10日 10時38分 [管理者]
研修会レポート3

 「子供に絵本を手渡す大切さ」~読み聞かせが育む力~

(12月8日実施)
  

   12月8日の雨が降りそうな日に、「絵本と子供の発達」の研修会が行われた。本研修は、山崎翠氏の豊富な読み聞かせ経験を中心とした研修である。
   まず憲法に書かれた、いのちの権利の3重構造、第13条の生きる権利、第25条の生活の権利、第25条と第26条の文化的権利を支えるものとしての図書館、という導入から始まった。
講演の様子
   図書館は生きる権利を保障する場所である以上、国が責任を持つべきである、との山崎氏の言葉を補足するように、図書館は人を励ます存在なので、そのためには本を提供し、しっかり「生きる力」を伝える必要があるということが、読み聞かせの講義の前段となった。
   本論として、子供の成長にあわせた絵本の紹介、読み聞かせの効用が説明された。読み聞かせによって子供の「生きる力」を育める。この「生きる力」は、親が読み聞かせをすることで子供の中に声が降り積もる「愛の体験」と、言葉や想像力によって養われると山崎氏は説明された。必ずしも「生きる力」は読み聞かせによってしか育めないものではないが、コンピュータが教えられない愛や正義、勇気や思いやり、それら「生きる力」を育むためには読み聞かせが有効なのであろう。
   最後に、元永定正作「ころころころ」の読み聞かせを行い、講義は終了した。読み聞かせを中心とした講義であったが、図書館全体の仕事をする上での心構えなども同時に話題となり、図書館員としての仕事を励まされた研修となった。

(鎌倉市中央図書館 只腰 あずみ)

(更新:2012年6月10日 10時41分)