協会報(~239号)

県図協の歩みをたどる-特別篇刊行

2012年3月15日 14時45分 [管理者]
郷土・出版委員会
●県図協の歩みをたどる-特別篇刊行

 郷土・出版委員会では平成13・14年度の期間は郷土資料集成第14集にあたる資料の翻刻について種々検討を行ってきたが、残念ながらふさわしい資料を見い出せなかった。
  平成15年度に入ってこれまでの考え方を見直し、貴重資料の翻刻にこだわらず、他の資料にも目を向けるとの考え方に立つこととした。
  郷土資料集成の刊行は元小田原市立図書館長で県図書館協会会長も務めた石井富之助氏の提唱で始められたもので、各館で所蔵する貴重書を翻刻し、その普及を図ることを目的としていた。
  これまで第1集「地誌篇」(昭和34年刊)から第13集「神社明細帳(三浦郡)」(平成10年刊)まで貴重書の翻刻を行ってきたが、この間シリーズの特別篇として「神奈川のふみくら-特別コレクション要覧」(平成6年刊)、「神奈川の新聞」(協会加盟館所蔵新聞目録・平成11年刊)と2種の資料も刊行されている。
  そこで今期の委員会ではこの特別篇を参考としながら、他にこれに類する資料がないかとの検討を行った。その結果、県立図書館池田政弘調査部長が平成10年に「神奈川県立図書館紀要」第4号に掲載した「神奈川県図書館協会小史」(「神図協小史点描」として「神図協会報」166号から182号まで連載)を取り上げることとした。前記論文は未定稿であって、協会の歩みが年代としてその発足から「中小レポート」の出現までが取り上げられているが、以後も「協会報」に連載されている。この論文の内容全体に加筆訂正を加えた上で完本として刊行しようとするものである。
  さらに「紀要」4号の巻末に付録として付けられていた「戦後神奈川県内図書館につくした人々」の内容を拡大し、最近までの県下図書館人を加えた『神奈川県下図書館人名録』を作成しようと考えている。
  県立図書館が今年創立50周年を迎えるにあたって「県立図書館50年史」を編集中とのこと。本委員会の企画が実現すれば、同書とあわせて県下図書館界の歩みについての一対のレファレンスブックが成立するのではないかと思われる。
  なお、この特別篇の刊行はあくまで第14集とは別の企画とし、この企画と同時進行で翻刻にふさわしい資料の調査をなお継続する。これについては県下各館からの情報を期待するところである。
〈委員長代理 小田原市立図書館 森徳行〉