協会報(~239号)

特集:「国民読書年」から次の一歩へ

2012年3月23日 09時52分 [管理者]
「国民読書年」から次の一歩へ

 2010年は、「国民読書年」でした。2005年に制定された「文字・活字文化振興法」の主旨を広く普及させ、読書の気運をより一層高めていくことを目指して、国会の決議を経て定められたものです。「国民読書年」を契機にして、活字離れ、読書離れの傾向に歯止めをかけようと、官民あげた事業が各地で展開され、図書館でも読書をすすめる取り組みが様々に行われました。
 図書館が読書環境の整備と普及に大きく関わっていることはいうまでもありません。楽しむ読書や調べる読書、さらには古典から新しい作品まで、図書館は多様で豊かな読書を可能にする存在です。
 「国民読書年」を終えたこの時期に「次の一歩」へ踏み出そうという思いをこめて、協会加盟機関が行った読書をすすめるための取り組みのいくつかを紹介します。「国民読書年」だからということではなく図書館として日常的に行ってきていることもあれば、「国民読書年」をきっかけに取り組んだ事例もあります。また、視覚に障害がある人々の読書を保障するデジタル化の現状や「電子書籍元年」という言葉に象徴される新しい読書の形態についての体験レポートも、これからの読書を考えるという意味で寄せていただきました。それぞれの取り組みから、あらためて豊かな読書環境を保障する基盤として図書館の存在意義を見直していただければと思います。