協会報(~239号)

「話題の本」コーナー設置 -学生の読書への興味を

2012年3月23日 10時06分 [管理者]
特集:「国民読書年」から次の一歩へ

「話題の本」コーナー設置-学生の読書への興味を  


(日本大学生物資源科学部図書館)


 当館は、農学・獣医学を中心に工学系・医薬系のほか、食品ビジネス・国際地域開発など文系も含め,多分野の専門図書を体系的に収集し、約37万冊の図書と4,700種の学術雑誌に加え、約3万タイトルの電子ジャーナルが融合する「学びの場:ハイブリッド図書館」を目指しています。
 近年、若者の活字離れが危惧されていますが、当館では、5年前から「フレッシュマンコーナー」を設置,新入生に学科推薦図書約600冊を一堂に配架して多読を薦めています。さらに、昨年から「学生選書ツアー」を開催し、「チャレンジ&チェンジ!! あなたの手で図書館が変わります」を題目に大型書店に行って・見て・手に取って選ぶ機会を提供し、学生満足度の向上に努めています。
 そのツアーの帰路、駅構内であの「青年が読書している」ポスターを目にして初めて国民読書年の取組みを知り、オープニング企画として報道等で学生も周知の「芥川賞・直木賞」の受賞作品を過去に遡って収集し両作家関連の蔵書も合わせて展示する「話題の本」コーナーを1階入口付近に設置しました。これは選書ツアー参加者の要望で図書館には文学作品が少ないとの「こえ」に応え「カタチ」として整備したものです。以後、(社)読書推進運動協議会推薦「2010若い人に贈る読書のすすめ」24冊、県内で開催の「第61回全国植樹祭」を祝し雑誌特集「森の本」で紹介された77冊、読書の秋にちなんで雑誌特集「いま、読みたい本・読むべき本」、有名書店スタッフのおススメしたい本のほか、本学蔵書が出陳された県立歴史博物館特別展の紹介と関連蔵書ミニ展示、学内講演会の講師による推薦本など様々な機会をとらえて学生の読書への興味づけを図って企画しています。
 その甲斐あってか今年の入館者数・貸出冊数は例年の1割増の見込み。初等教育での「朝の読書」の効果もここに来て影響しているのかもしれません。
 今後は蔵書の掘り起こしを通じ、教員の著書を採り上げてコーナーを特設し「著者を囲む会」を開催して図書館から情報を発信して行きたい。

(日本大学生物資源科学部図書館 深井 治雄)