協会報(~239号)

研修会レポート②「はじめての児童サービス」研修報告

2012年3月23日 10時13分 [管理者]
研修会レポート②

「はじめての児童サービス」研修報告
児童サービスの基礎を学び・考える

(9月9日実施)
  

 この度の研修では、講師に横浜市金沢図書館職員の杉浦弘美氏にお越しいただき、主に新たに児童サービスの担当になった図書館員を対象に、児童サービス業務の基礎や心構え等についての講義をいただいた。
 最初に、子どもの読書を取り巻く状況として、特に国レベルで大きく動いた、2000年からの10年間の動きについて説明された。そして、その動きを、図書館は良い方向に持って行けるようにしていく必要があると述べられた。
 次に、図書館の児童サービスの基本、つまりは核となるものとして、蔵書をつくることと、子どもたちに本を手渡すことの2つを挙げられた。
 これは、例えば、子どもたちに本を手渡した後に、子どもたちの反応をすくい上げて、それを今度は、蔵書を作ることに繋げていく。どちらの仕事をするときも、もうひとつの仕事を頭の中においておく必要があるとのことであった。
 また、児童図書館員に求められるものとして、①子どもと子どもを取り巻く地域を知ること、②子どもの本を知る、③子どもと本を結ぶ技術を身につける、④児童サービス全体の運営を担う、⑤さまざまな機関・人と連携すること、の5項目を挙げられ、これらの技術や知識をもったうえで、児童サービスに携わっていっていただきたいと言われた。
 その中でも、学校との連携については、来年度より新学習指導要領が施行されることから、今まで以上に、密な連携をとっていく必要がある。そして、図書館を利用する子ども達に、図書館は楽しいところである、役に立つところであるということを知っていただくために、図書館側から積極的に呼びかけていくこと等が大切であると述べられた。
 研修では、説明に加えて多くの参考図書も紹介していただき、今後の自己研鑽に繋げることが出来るものとなった。
 また、児童サービスをはじめ、図書館業務全体の基礎となるものであった。そして、児童サービスに携われることに誇りを持って、業務にあたるべきということを再認識することができた。

(藤沢市総合市民図書館 川口 曜)