協会報(~239号)

「読書のまち・かわさき」の展開…

2012年3月23日 09時56分 [管理者]
特集:「国民読書年」から次の一歩へ

「読書のまち・かわさき」の展開  


(川崎市立図書館)


 川崎市では2000年の「こども読書年」を契機に、学校・家庭・地域が一体となり子どもの読書推進を目指した、「読書のまち・かわさき」事業がスタートしました。学校教育部と生涯学習部が連携し、この10年間に、学校図書館コーディネータの配置(22年度現在各区3人)、学校図書館のコンピュータ化と市立図書館とのオンライン化、学校図書館ボランティアの研修、広報紙の発行、市立図書館と学校図書館担当者との連携会議(各区単位)が行われています。また、「かわさき読書の日」が制定され、講演会、児童生徒の読書標語・ポスターの表彰、市内で読書普及活動をしている優秀団体の表彰、学校図書館や市立図書館の展示などが行われます。この日を中心とした「かわさき読書週間」には、各区の図書館がボランティアと協働し、工夫をこらしたイベントが企画されます。2006年・2007年には推薦図書冊子「かわさき読書100選」小学生版と中学生版(教員・地域文庫・図書館員による編集)を発行し、そのコーナーを設置してきました。
 2009年からは新たな取り組みとして、サッカーJ1チーム川崎フロンターレと協働し「川崎フロンターレと本を読もう!」事業を始めました。選手の推薦図書冊子「キックオフ!“読書のまち・かわさき”川崎フロンターレ2009年の15冊」の発行。選手が読みきかせをするおはなし会の開催。「ブックランドTODOROKI」と銘打ち、ホームゲームに合わせて、競技場で前掲の冊子配布、図書館リユース本の配布、自動車文庫の展示などを行いました。この事業はスポーツと読書という組み合わせが注目され好評でした。今年度はさらに趣向を凝らした2010年版の冊子発行、おはなし会等を行うとともに、今年度の新たな企画として図書館をめぐってフロンターレのマスコットや図書館の守護神などが活躍する紙芝居を作成しています。
 児童・生徒、市民ボランティア、教員、大学、地域の団体等とのかかわりが広がった10年であったかと考えます。学校授業支援の拡充、地域への情報発信等の視点からどのようなサービスが出来るかが今後の課題です。

(川崎市立中原図書館 嶋田 久子)