協会報(~239号)

国民読書年に「県立図書館横浜駐在事務所」

2012年3月23日 10時11分 [管理者]
特集:「国民読書年」から次の一歩へ

国民読書年に「県立図書館横浜駐在事務所」10 月からサービス拡大  


(神奈川県立図書館)


 平成9年4月に横浜駅西口から徒歩5分、かながわ県民センター5階にある「神奈川県生涯学習情報センター」(以下「情報センター」という。)は、県民の生涯学習を支援する広域的なネットワークの推進などの拠点として開設された。
 平成17年10月、「情報センター」の利用拡大を図るため、県立2図書館所蔵図書の返却及びインターネット予約図書を受取るサービスを開始した。横浜駅に近いなど利便性の良さもあって、利用件数は毎年大幅な増加傾向を示している。
 図書館サテライト機能の強化及び県民サービスの向上のため平成22年4月、「情報センター」は生涯学習課から県立図書館に移管され、「県立図書館横浜駐在事務所」として位置づけられた。
 10月1日からは、県立2図書館に直接足を運ばなくても利用者登録(図書館カードの発行)ができるサービスを開始した。さらに記念行事の一環として、10月9日に国民読書年記念講演・早稲田大学教授石原千秋氏による「文学をどう読むか~漱石から春樹まで~」を開催した。当日は激しい雨の中、多くの方で満員となり講演も好評を博した。その他に「文字・活字文化の日記念講演」を始めとして、多彩な記念行事が開催された。講演終了後には、情報提供コーナーを興味深げに眺めている人や利用者登録を申し出る人で賑わっていた。情報提供コーナーでは、「2010 国民読書年~読書今昔子どもから大人まで~」とする資料紹介・ミニ展示を行った。また、「話題の本棚」(読書に関する本)のコーナーを設け、本の貸出や「関連図書リスト」の作成・配布を行うなど図書館PRにも努めた。これらイベント開催の結果、「情報センター」の活性化にも弾みがついたのである。今後もさらなる事業展開をしていきたい。
 昨今、文字・活字離れや読書離れが指摘されている。心豊かな生活を営む上でも、科学する心を養う上でも、読書の大切さは自明のことである。「県立図書館横浜駐在事務所」は、県立の図書館につながる窓口である。図書館は知識の宝庫であり、知識の水先案内人として司書が支援する体制が整えられている。サービスを拡大したこの施設を県民の皆さんに大いに活用してもらいたい。

(神奈川県立図書館 安田 清高)