協会報(~239号)

神奈川県内のデポジット・ライブラリー検討の動き

2012年3月29日 10時47分 [管理者]
神奈川県内のデポジット・ライブラリー検討の動き
 デポジット・ライブラリー推進特別委員会では、9月10日付けで本報告を出した。その内容要約は次のとおりである。

1.検討経過
 平成12年6月の神奈川県議会本会議において県立高等学校再編整備計画に関して、空き教室を有効に活用して市町村と県との共同で運営する「デポジット・ライブラリー」(以下「DL」という)の整備の可能性についての質問があった。県教育長は県図書館協会の場などで早急に検討したい旨を回答して、教育部長名で当協会に調査研究の依頼がなされた。
 協会では企画委員会のなかに「DL構想検討プロジェクトチーム」を編成し検討をかさね、平成13年4月11日付けで「神奈川県内の公立図書館が共同で構築するデポジット・ライブラリー構想について」と題する中間報告を神奈川県教育庁教育部長あて提出した。
 平成13年度にはいり、協会はDLについてさらに研究を深めるべく「DL推進特別委員会」を設置した。本報告は同委員会による調査研究の成果である。

2.DLの基本的機能
 DLの基本的業務として次の業務をあげた。
(1)資料の受入
 県及び市町村図書館で除籍した図書と雑誌を受入対象の資料とする。県立図書館とDLがインターネットに公開しているOPACで重複チェックをかけ、所蔵していない資料を収集する。収集にさいしてはDL独自のガイドラインを設ける。
(2)資料の整理
 図書については国立国会図書館の蔵書目録のCD-ROM版であるJ-BISCを活用 して整理する。雑誌については、活用できるMARCがないので、独自入力によって整理する。
(3)資料の配架
 ローカル情報はバーコード番号のみとし、各々資料のバーコード番号順に配列する。一部のすきもなく書架上に資料を配架し書庫の徹底した有効利用をはかる。
(4)資料の貸出と返却
 貸出は市町村図書館及び県立図書館並びに各 公共機関に対しておこなう。市町村図書館は DLのOPACを検索し予約をかける。予約をかけられた資料は、県立図書館の宅配便を通じて貸し出され、返却は逆の流れとなる。

3.施設の規模
(1)図書の年間受入冊数
 最近5年間の平均最大除籍冊数約3万9千冊から紛失図書・汚破損図書、収集対象外図書、県立との重複図書を除して年間受入冊数を15,000冊とした。
(2)雑誌の年間受入冊数
 どこの図書館でも保存していない雑誌約400タイトルのうち約5割を保存すべき雑誌であると想定し、かつすべて年12回発行されていると仮定して保存すべきタイトル数を約200タイトル、年間受入冊数を約2,400冊(図書冊数に換算すれば約1,200冊分に相当)とした。
(3)書庫スペース
 書庫として高等学校の空き教室を利用する。空き教室をそのまま使用した場合には、約3,500冊収容できる。また10,000冊収容する場合には、5連式4段組の複式ラックを4基設置し、そのうえに床補強が必要であるとした。

4.職員
 非常勤職員1名、補助職員1名でもって、上記業務を処理するものとした。

5.設置主体
 神奈川県図書館協会による運営と市町村と県による共同運営による場合の二方式を検討した。

6.コンピュータシステム
  将来的には県立図書館のKL-NETと有機的に連動させ、効率的なシステムを構築することとした。

民間企業からの要望~神奈川県資料室研究会~
 民間企業の各資料室では書庫に余裕がないため、古い専門雑誌を保存できなくなってきている。 県立川崎図書館が事務局をつとめ、民間企業を会員としている神奈川県資料室研究会は、こうした専門雑誌をDLで保存し有効活用する方策を検討している。平成13年7月、県立川崎図書館は民間企業のニーズについてアンケート調査を実施し、その集計結果を参考として本報告に添付した。

2012-03-29 [管理者]
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